2023.12.04
小野 鎭
一期一会 地球旅 290 カナダの大自然と遊ぼう 番外編5
一期一会・地球旅 290
カナダの大自然と遊ぼう
番外編 ⑤ ジャスパーからエドモントンへ ①
ジャスパーでの忘れられない思い出を姥山代表は黙って聞いてくださった。ゆきわりそうでもいろいろなご家族があり、いつもたくさんの出来事があり、当時の公的な福祉の枠組みの中では認めてもらえない様々なニーズがあること、そこで、自分たちは、何とかして、そのような要望などに少しでも応えたいと工夫しておられることを話された。今回、旅行を楽しんでおられる人たちもにこにこして過ごしておられるけれど、中には親子で死ぬことさえ考えた人たちもあるし、自分たちの支えで難関を乗り切っておられる人たちもあり、その人たちがお互いに支えあっていることなども聞かせてくださった。
翌日、午前中はジャスパー国立公園内でも景色がよいことで知られているマリーン湖の湖上遊覧を楽しんだ。バンフのペイトー湖と並んでカレンダーやカナディアン・ロッキー紹介の資料などにも加えられている景勝地である。ジャスパーから森の中を30分ほど走ると周囲が開け、マリーン湖の湖面が広がる。周囲には2200~3470mの山々がそびえており、白雪をいただき、谷間にはあちこちに氷河がかかっている。その日は、風もほとんどなく、湖面は明るく秋の陽ざしを受けてキラキラ輝いていた。40人くらい乗れそうな遊覧船で湖上遊覧。途中、有名なSpirit Islandにも立ち寄ったが、車いす使用の方は船上で過ごされたような気がする。滞在時間が短く、船が停まったところの歩道はあまりよくなく、下りない方がよさそうだとの判断であったのかもしれないが、明確な記憶はない。
その後、湖岸の土産物店やカフェで軽食を摂ったりしながらしばし休憩の後、出発した。この日の目的地「キャンプ・ヘ・ホ・ハ」へ向かった。ジャスパーからカナダ西半
分を東西に抜けている16号線を走り始めるとカナディアン・ロッキーが次第に車窓から遠のいて行き、大草原(カナディアン・プレイリー)が広がってくる。どこまでも緑野が広がっており、牧場や農場、そして時々小さな集落が遠くに見えていた。4時間ほど走って、小さな湖のほとりにキャンプ・ヘ・ホ・ハがあった。正式の名前は、Camp Health, Hope, Happinessである。「健康・希望・幸福のキャンプ」ということになるのだろうか。障がい者のためのレクリェーション施設として民間組織に
よって建てられ、主としてアルバータ州の障がいのある人々に使われている。今回の旅行計画立案にあたっていろいろヒントをいただいたアルバータ州の訪問親善担当部長の紹介を得てここに宿泊することを組み込んだのであった。いわば公的な紹介があったおかげで、日本人であるこのグループの宿泊が可能になったことは幸運であった。カナナスキスでは、アクセシブルなロッジとキャンプ場、野外アトラクションを主としたWilliam Watson Lodgeを見学したが、ここではジャスパーからエドモントンまで360kmをひたすら走るのではなく、ここに一泊することになり、興味深い経験をすることができた。
分を東西に抜けている16号線を走り始めるとカナディアン・ロッキーが次第に車窓から遠のいて行き、大草原(カナディアン・プレイリー)が広がってくる。どこまでも緑野が広がっており、牧場や農場、そして時々小さな集落が遠くに見えていた。4時間ほど走って、小さな湖のほとりにキャンプ・ヘ・ホ・ハがあった。正式の名前は、Camp Health, Hope, Happinessである。「健康・希望・幸福のキャンプ」ということになるのだろうか。障がい者のためのレクリェーション施設として民間組織に
よって建てられ、主としてアルバータ州の障がいのある人々に使われている。今回の旅行計画立案にあたっていろいろヒントをいただいたアルバータ州の訪問親善担当部長の紹介を得てここに宿泊することを組み込んだのであった。いわば公的な紹介があったおかげで、日本人であるこのグループの宿泊が可能になったことは幸運であった。カナナスキスでは、アクセシブルなロッジとキャンプ場、野外アトラクションを主としたWilliam Watson Lodgeを見学したが、ここではジャスパーからエドモントンまで360kmをひたすら走るのではなく、ここに一泊することになり、興味深い経験をすることができた。
施設は、アイル湖の半島の先に広がり、平屋の建物が点在していた。宿泊棟、多目的ホール、食堂・厨房、レクリェーションのための広いグラウンドなどから成っているらしい。ホテルとはちょっと勝手が違ったが、数人ずついくつかの部屋に分かれて泊まっていただくことになり、各部屋に自分たちの荷物をもって入っていただいた。一休みして、食事をいただいたがメニューなどについては記憶には残っていない。その後、多目的ホールに移るとアトラクションが準備されていた。地元の有志や、賛助会員などであろうか大人や子供たちがピエロなどのコスチュームをつけたり、思い思いの服装でマジックショーやゲーム、ダンスなどをして私たちのメンバーを歓迎していただいた。アルバータ州の部長からの紹介によるキャンプの関係者たちの心にくいばかりの歓待ぶりであった。最初のうちは、メンバーも言葉がよくわからないなど少し緊張気味であったが、次第に打ち解けて、一緒にゲームに参加したり、楽しいひと時を過ごされた。決して豪華な食事はなかったし、一流ホテルのような優雅さはなかったが、清潔で静かな一夜はとてもうれしい時間であったと思う。(以下、次号)
【資料と写真、上から順に】
《資料》
Camp He Ho Ha ホームページより
《写真》
・マリーン湖 遊覧船 1990年9月6日 筆者撮影
・マリーン湖 湖畔にて 同上
・マリーン湖 遊覧船上にて 同上
・キャンプ ヘ・ホ・ハ 現地で受けた歓迎)(1) 1990年9月6日筆者撮影
・アイル湖に面したCamp He Ho Ha、正面は、姥山代表 同上
・キャンプ へ・ホ・ハ 現地で受けた歓迎(2) 同上