二回続けて「F家ばあちゃん函館介護旅行」の実現の様子をご紹介させていただきました。
「F家ばあちゃん函館介護旅行」その1.
「F家ばあちゃん函館介護旅行」その2.
今日は「その3」として、F様が送ってくださった【旅行記】をお楽しみ下さい。
宮下さんのところは、旅行企画もされるので、レポート形式で日程を書いてみました。
次に生のレポートを少々私が感じたままに書いてみます。
独断と偏見をお許しください。
まず、田舎者が驚いたのは、空港での障害者に対する扱いでした。
車椅子を見るや、何も聞かないのに、係の人が寄ってきて親切にエスコートをしてくれました。
おかげで、ANAカウンターから機内までは、客室乗務員が付きっ切りで車椅子を押してくれました。
しかもいろいろと話しかけてきたり・・・・すべて笑顔で親切な対応です。
一人で乗った時と同じ価格でサービスがこんなに違うとは驚きです。
名古屋だけが特別?と思ったのですが、帰りの函館も同じレベル。
「これはある意味で差別だ!」と感じました。
搭乗案内も一番手で。
しかも一番前。
乗務員を占有して、まるでファーストクラス(一度しか乗った事ないですが)以上です。
旅館の素晴らしさは以前ご報告しましたが、
何と言ってもお互いの部屋が連結されているので、廊下に出なくて往来出来ました。
次に今回のメインの温泉ですが、二人で、少し慎重なばあちゃんをゆっくりと誘導。
初回の風呂で恐怖を感じさせては後が続かないと思い、慎重に慎重を重ねました。
一番苦労したのは、“湯温”です。
掛け流しでしたから、簡単に冷めません。
シャワーで身体を洗っている間に、僕は何回も洗面器で水を入れて調節を。
窓を開けたら涼しいですが、ばあちゃんが風邪を引いてはいけないので開けれません。
次に問題は“深さ”です。
結局、風呂の中に桶も椅子も沈めて、何とか座って足を伸ばせるようにしました。
慣れてないせいか5分も温もれば(事前に血圧計で測りましたが)すぐに逆上せるので、
今度は脱衣場の準備。
車椅子にバスタオルをセットし、リクライニングをして身体を拭き、すぐに着衣をさせました。
まあ?こちらは汗だくで、眼鏡は曇るわ・・・尻は浸かるわ・・・大変でした。
しかし何とかばあちゃんが気に入ってくれたのか、
生涯初の朝風呂も本人からのリクで、旅行中4回浸かりました。
次の難関は“食事”でした。
これは日常でも行う行為ですが、出されるものや食器が普段とは違いますし、
何と言っても介助者の僕が旅館の豪華な食事に気が取られてしまいがちです。
その点、Iさんは流石!プロ。
自分で食べて、ばあちゃんも一緒に食べて・・・ビールまで一緒に飲んでました。
おそらく、ばあちゃんも雰囲気に酔って、自分が片麻痺であることを忘れたみたいに、
蟹を穿って食べてました。
旅行はそのもの自体もいつでも楽しいですが、
特に介護旅行は何度も来れない・・・
やっと来れた・・・等の利用者の旅行への想いがひと一倍強いものですので、
“旅の印象”は極めて大切に考えなくてはなりません。
そういった意味では、
今回の旅行は、宮下さん達あえる倶楽部さんが、
素敵な旅館をプレゼントして頂き、
移動でお世話になった道南タクシーのI運転手さんとの出会いは、
僕たちが及ばない大きな影響をもたらしてくれました。
その他、“天候”これは運ですから、雨は雨なりに良かったのですが、
名古屋を離れるときは土砂降りで、函館に到着後の翌日からずっと青空が顔を出していました。
「お天気さんもばあちゃんに味方してくれたんだよ!」と言うと、
本人も喜び、目をしょぼしょぼさせていました。
あと素人が介護旅行で気を付けること・・・と考えてみても、
答えは・・・・・今の日本では「何もありません。」
今回の飛行機会社でも旅館でも、観光地でも、
皆、車椅子の者に対する対応は非常に親切で、優しいです。
割り込みどころか、皆が特等席を空けてくれました。
唯一、函館タワーでこちらが声をかけても譲ってくれなかったのは、中国人のツアー客でした。
しかし車椅子を見た途端に、彼ら30人が一斉に譲ってくれたのは圧巻でした。
今回の“F家ばあちゃん函館旅行”は企画の段階から、
素人の僕が宮下さん達にいろいろとご迷惑をかけて本当に申し訳ございませんでした。
終わってみれば“案ずるより産むが易し”でした。
それを最後に僕の感想とさせていただきます。
最後に、行く前にお約束?いたしました“トラベルヘルパー”の活動ですが、
僕で何かお役に立てる事があったら、いつでもご連絡下さい。
第二の人生として、介護・福祉方面に進みたいと思い、
11月から“ガイドヘルパーの講習会”に参加する予定です。
以上
F様
日に日に秋深くなる今日この頃、お元気ですか?
函館旅行記、じっくり読ませていただきました。
写真の笑顔・笑顔・笑顔・本当にいいお顔をしていらっしゃいますね!
「不思議なもので、ばあちゃんはあれから笑顔が多くなって、
何事にも前向きにチャレンジするようになりました。」
・・・まさに、旅は最高のリハビリですね。
嬉しくなりました。
今回の御旅行の成功は、
準備に準備を重ねたFさんのお母様への思いやりによるものだと思います。
天気も、見方をせずにはいられないほどの、親孝行です。
さて、一つお願いがあります。
勉強会に参加していただいたこと、
宿手配などの面で、≪F家ばあちゃん函館介護旅行≫に関わらせていただいたこと、
今後のトラベルヘルパーとしてのFさんの可能性・・など、
もろもろのストーリー、旅行記とお写真を、ブログで紹介させていただいてもよろしいでしょうか??
私どもの中だけにとどめておくには、もったいない内容です。
ぜひぜひご検討くださいませ。
宮下典子
SPI あ・える倶楽部
宮下典子 様
ブログ紹介の件、ぜんぜ?んOKですよ。
むしろ、単なるちっぽけな家族旅行がメジャーになって・・・・・驚きです。
ばあちゃんもじいちゃんも
宮下さんって文章うまいですネ。
褒め殺しの連続で、とてもいい気分です。
また必要ならポイント毎の写真もお見せしますのでご連絡下さい。
では、完成を楽しみにしております。
ということで、F様のご好意のおかげで、
こうやって皆様に「F家ばあちゃん函館介護旅行」の様子を紹介させていただけました。
F様は、りっぱなトラベルヘルパーですね。
こうやって、F様のような「親孝行トラベルヘルパー」が、
安心して親御さんを家族旅行に連れて行けるようなお手伝いをするのも
あ・える倶楽部の目指すところです。
最後にもう一度、
F家の温かいご旅行の様子をご覧下さい。
F様、ご家族様、
温かい気持ちのおすそ分けをありがとうございました。