2021.11.11 小野 鎭
一期一会 地球旅 198 ホテルアイガーからの手紙(2)
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毎年、ホテルからは心のこもったクリスマスのメールが届き、一年間の村とホテルの様子が綴ってあった。もう一度ぜひ行きたいと思いつつ、個人的にはなかなか機会を見いだせず、先頃引退の挨拶のメールを送った。1週間後、ホテルからは丁重な返事が届いた。それを、ここで紹介させていただきたい。(いずれも原文は英語)
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Dear Mr. Ono 親切なE-mailありがとうございました。こちらからは、本日のミューレンの風景をお送りします。山々はいつものようにそこにあり、私たちの小さな問題を見てくれています。あなたがホテルアイガーとミューレンでの素晴らしい思い出といつも持ち続けてくださっていることを感謝します。長年のご愛顧ありがとうございました。残念ながらここ2年は、日本からのお客様をお迎えしていませんが、2022年にはきっとまた来て下ると期待しています。一方で当館は今年も改築を進めます。 どうぞ、この先も日本での健やかで幸多い日をお過ごしください。 ありがとうございました。 シュテーリ一家 アンネリズ、サンドラ、アドリアン、スザンナ&ホテルスタッフ一同より シュテーリ・フォン・アルメン ホテルアイガー スイス・ミューレン www.hoteleiger.com info@hoteleiger.com その後、追いかけてもう一通のメールが届いた。 現総支配人の母親にあたり、十年近く前までホテルを切り盛りしていたアンネリズさんからであった。実は、自分が初めてこのホテルを知った70年代からのいつも心から歓迎してくれた人であり、言わばほとんど半世紀にわたる交誼を頂いてきた。 メールの中身を少し砕けて紹介すると以下の通りである。 Mr.Ono 連絡ありがとうございました。もうずいぶんお会いしておらず、残念だけど、お元気と聞いて安心しました。とにかく80歳、おめでとうございます。元気で引退され他とのことで何よりです。
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私は、1937年生まれ、今年の10月で84歳、今も体を鍛え、ハイキング、もちろん水泳も続けています。冬はスキー、自分はミューレンでスキーと共に生まれ、多分、3歳くらいで滑り始めたと思います。 1959年に突然父が他界し、ホテルを守り抜かねばならなくなりました。ローザンヌのホテル学校で学び、仲間と共にホテルアイガーを守ってきました。やがて、家族も増え、アドリアンがスザンナと跡を継いでくれています。娘サンドラも加わってくれて週に1日手伝ってくれています。私はと言えば、キッチンでグラス磨きをして手伝っています。母は、86歳までスキーをやっていましたので、自分もそう成りたいと思っています。 ミューレンは、いいところです。このところ、コロナで苦しんでいるけれど、スイス人のお客様やスイス在住の外国人のお客様が来てくださっているので、アドリアンがそれほど売り上げは落ちていないよ、と言っています。幸い改築のための予算もそのままで10月11日からクリスマス前の休業に入り、改築が始まります。 ホテルアイガーを愛してくださり、ありがとうございました。どうぞ、お元気で。 あなた方のアンネリズより、 p.s. アドリアンは、テヒ・バーの外側にぺルゴラを作り、ミッテルベルク小屋ではサンドラ、アドリアン、スザンナも一緒に写っています。 (アドリアンからの写真の説明) (以下、次号)