2022.12.26 小野 鎭
一期一会 地球旅 242 英国の伝統・文化と田園を巡る旅⑭
一期一会・地球旅 242
英国の伝統・文化と田園を巡る旅 ⑭
ストウ・オン・ザ・ウォルズ(Stow on the Wolds)
 
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旅行6日目、旅行も後半、コッツウォルズ地方からロンドンへ向かい、バスツアーとしてはこの日が最終日になる。ドライバーとはロンドンで別れることになるのでブロードウェイのホテルの前で全員揃って記念写真を撮った。朝の出発前はいつも慌ただしいがここではホテルの前で子どもたちを学校まで送っていく家族のほほえましい様子を見ることもできた。毎回の旅行のリーダーを務めてくれた与田氏は、現業時代は貸切バスの優良運転手であった人物、ドライバー同士で何やら楽しく語り合っている様子も印象的であった。
 
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この日、午前中はブレナム宮殿を見学することになっているが、その前にコッツウォルズ地方の町にも寄ってみようということになり、Stow on the Woldsという町で小休止した。ここは、このあたりの農産物の集散地であり、市が立つ町として紹介されている。小さな町ではあるが、古代ローマの時代から街道筋にあった集落だそうである。
 
ヨーロッパの古い町に行くと多くの場合、町の中心には大きな教会であるとか市庁舎、そしてその前に広場があり、市が開かれることが多い。城があり、いわゆる城下町も多い。街道筋の細長い集落であったり、円形であったり角型などの集落である塊村(かいそん)が多い。町の周囲は城壁や市壁で囲まれているとか、その壁が取り壊されてその跡が環状道路になっていることもある。この町では中心部に広場があり、市が開かれるのだろうか。しかし、この日、市場は開かれておらず、静かであった。メンバーは思い思いに町中を歩き、
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ショウウィンドウをのぞくとか、犬連れで町行く人と言葉を交わしている人たちもあった。カフェで一休みしたあと、自分は、広場や集落、公園などをすこし歩いてみた。あれこれ町のたたずまいを見ていると興味ぶかい発見をすることがある。最近では、日本では郵便ポストは大きな箱型になっているが、昔は円柱型であったし、今もそのまま円柱型が使われているところもある。英国では今も円柱型が多いがこれも英国が老舗であり、日本は英国型に倣ったと聞いたことがある。郵便ポストを興味深そうに見ていた団員の山田さんは訪れた各地の風景をスケッチするとか、帰国後キャンバスに描くのが楽しみと聞いている。
 
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そして、何よりも、ここで気づいたのはトイレであった。日本では公園などに公衆トイレがあり、男女別に作られており、多くは無料であろう。ヨーロッパでは、有料のものも多く、この場合はドアにカギがかけられおり、コインを入れるとドアが開くというのが一般的。トイレそのものが駅の改札口のように料金を払う(カード式もあるのではないだろうか)ことになっていることもある。レストランなどでは、入り口にチップを入れるお皿が置いてあったり、係員がいてチップを渡して手を洗ったり、トイレを利用することになる。ここでのトイレは広場の一隅にあり、4つのドアがあった。3つのドアには「UNISEX」と表示があり、男女のマークが大きな円の中に描かれていた。
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右端の一つはドアそのものが大きく、「TOILET」と表示されており、円の中に男女以外に乳幼児と車いすマーク、これは言うところの多目的トイレ。4つのドアの表示は、どれも日本のように男女別々の色ではなく、黒一色であった。各ドアの脇の壁に料金用のはめ込み設備があり、トイレの使用料金は、30ペンス(約50円)くらいであっただろうか。いずれも大きく、わかりやすいピクトグラム(絵文字または絵表示)であり、色は単色であった。絵が描かれた円の大きさは直径40~50cmあり、ドアの幅ほとんどいっぱいに表示されておりいずれもわかりやすかった。惜しむべきはいずれも使用中で中を見られなかったことである。
 
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もう一つは、犬のトイレとでも言えば良いだろうか、散歩中の犬が路上で落としたものを飼い主がすくい取った袋を入れる赤い箱が公園の手すりに掛けてあった。これを何と呼ぶのかその時は分からなかったが帰国して調べたところ、Dog Peep Bag(犬のうんち袋)とあった。我が家には犬も猫もいないので犬を連れて散歩することもないが、日本では犬が大の用足しをしたあとはビニール袋でつかんで持ち帰るというのが一般的だろうと思う。英国に限らず欧米では、公園などにこのPeep Bag入れ、またはPeep Boxが設けられているところが多いらしい。ただし、間違えてはならないことは、Doggie(またはDoggy)Bagとは言わないこと。これは、アメリカなどでよく使われる表現であると思うが、食べ残した料理を入れて持ち帰るときにつかわれる容器などである。持ち帰って犬に食べさせるという建前で食べ残した料理を持ち帰るが、多くの場合、ひとが食べるために用いられている。いずれにしろ、Stow on the Woldsでの小休止ではなかなか興味ぶかい経験をすることができた。(以下、次号)
 
写真&資料(上から順に、)
 コッツウォルズ・ブロードウェイのリゴン・アームズ・ホテル前にて
 (2013年10月9日 筆者撮影)
ブロードウェイで見た朝の風景 (2013年10月9日 筆者撮影)
日英貸切バス運転手同士の友情交歓(同上)
ストウ・オン・ザ・ウォルズで見た散歩をする人たち(同上)
英国の郵便ポストは今も円柱型が多いらしい(同上)
公衆トイレの例(Stow on the Woldsにて) (同上)
Dog Peep Bagの例(Stow on the Woldsにて) (同上)