午後は、大英博物館(The British Museum)に入った。パリのルーブル美術館などでもそうであるが、グループで博物館などに入るときはときは、お客様側から特別のご希望であるとか何らかの要望が出されていないときは添乗員がガイドにグループの性格や特徴などを伝えて、見学コーナーなどの見当をつけてもらうことになる。世界最大級といわれる大英博物館には、個人の収蔵品などの寄贈によるものや公的に得られたものなど世界中から集められた800万点ものコレクションがあるというから驚きである。医師であり、科学者でもあったハンス・スローン卿のコレクションをもとに設立され、現在の敷地内にあるモンタギュー・ハウスで1759年に初めて一般公開されたそうである。日本で言えば徳川時代中期である。アイザック・ニュートンの後を継いで王立協会会長始め、古美術収集家として知られたスローン卿は遺言で、政府が博物館を設立することを条件として、自身が収集した蔵書・手稿・版画・硬貨・印章など8万点をイギリス政府に有償で寄贈することを指示した。その後、イギリスの植民地化が進んだこともあり、膨大なコレクションとなり、この博物館は次第に大きくなり、いくつかの分館が設立されていった。