2023.04.17
小野 鎭
一期一会 地球旅 257 カナダの大自然と遊ぼう ①
一期一会・地球旅 257
カナダの大自然と遊ぼう ①
カナダの大自然と遊ぼう!ということでカナディアンロッキーへご案内したグループの旅行について書きたい。
障害の有無や種類、年齢に関係なく、みんなが一緒になって遊べる場所をつくり、「やりたい、遊びたい」という気持ちが「出来ない」を「出来る」に変えたり、世界を広げていったりすると考える、として様々なプログラムを展開しておられるNPO法人がある。2008年、世界一美しい海を見
に行こう!とパラオへご案内したのが最初であった。続いて、世界一美しい山を見ようとスイスアルプスへ、次いでフィンランドの北極圏を越えてオーロラ見物、地球の歴史を見に行こうとグランドキャニオンへ出かけられたのが2015年。毎回、予め旅行のテーマを設定して旅行を計画される。旅行会社としてもそのことを念頭に準備を進めた。ご参加各位には旅行を存分に楽しんでいただけたと思う。そして、今度はどこへ?ということで3つの案をお示しした。東京オリンピックを前に古代オリンピック発祥の地である古代ギリシャのオリンピア、ビッグアイランドとホノルル、大いなる大自然カナディアンロッキー、の3案、2017年1月であった。
旅行企画段階から数回の説明会が行われた。最初の内は、海外へ行ってみたいな、と思って話を聞きに来られた方から、もうすでに幾度もお出かけになられた方もあり、ハワイもいいし、遠いけれどギリシャも行ってみたいな、などと仰る方もあったが、やはりカナダの大自然に魅力を覚えた方が多かった。結局、カナダの大自然に決まったのは、2018年の末であった。航空会社には、車いす使用の方が数名ご参加になるであろうとつたえ、対応してもらうように申し入れて搭乗受付条件を聞き、それに添うこととして予約を進めた。1980年代後半、重度の障がいのある方などを含むグループの受け入れについては日本のキャリア(航空会社)は難色を示され、外国の会社に相談したところ、快く受け入れてもらった。とはいえ、地上手配を含めて準備には1年余りを要したことを思うと隔世の感があった。
旅行のテーマは「カナダの大自然と遊ぼう!」、メインの滞在地は、カナディアンロッキーでも代表的な山岳リゾートのバンフ、そしてカナダの玄関口であるバンクーバー、これにカルガリーを加えて7泊9日としての日程を考えることになった。たたき台の行程としては、最初にカルガリーへ直行、そこからバンフへ行き、最後にバンクーバーを経て帰国することを考えてみたが、法人側と航空便運航の都合上、往路バンクーバーから入ることになった。車いす使用の方も数名ご参加されることが予想されているので現地手配会社(Tour Operator)とはリフト付きのバスを使いたいとして相談したが、団体としての取扱いが少ないせいか、それとも料金面で折り合いがつかないのか、なかなかむつかしく、これは旅行主催者様にご説明して、通常の大型バスを借り上げることでご了承いただいた。
バンフやジャスパーには過去40年余りの間に幾度か訪れており、最近では2009年であったがそれからすでに10年が過ぎている。大自然は変わらないとしても旅行環境はかなり変わっていることであろう。今回は、お客様の年齢層も20代から80代まで幅広く、車いす使用の方や知的障害のある方の参加も予想されている。どなたにも旅行を楽しんでいただけるように観光は勿論、交通・移動手段、宿泊施設や食事の場など多方面からUT(ユニバーサルツーリズム)の理念を念頭に置きつつ、準備を進めて行かなければ、と過去の経験や知識、各種資料、何よりも最新の情報などを駆使することを心がけた。(以下、次号)
(写真と資料、上から順に)
世界一美しい海を見に行こう パラオの海 2008年12月9日 筆者撮影
旅へのいざない 旅行案説明 2018年1月 筆者作成
カナダの大自然と遊ぼう 旅行参加募集呼びかけ 資料 2019年2月 筆者作成
バンフ国立公園レイク・ルイーズ 2009年8月30日 筆者撮影