2023.05.01 小野 鎭
一期一会 地球旅 259 カナダの大自然と遊ぼう3
 一期一会・地球旅 259 
 カナダの大自然と遊ぼう ③ バンクーバー① 
 
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 京都は山紫水明の都と言われるが、バンクーバーにもそれが当てはまると思う。日本的な表現ではないが、カナダ政府観光局の案内では、「光を浴びてキラキラ輝く高層ビル群、それを取り囲むように広がる海や沿岸の山々の美しさ。ここでは、海水浴と山登りが一日で楽しめてしまいます。また、世界一流の料理や感動的なナイトライフもそろっています。あらゆる魅力に満ちあふれた街、それがバンクーバーです」とある。バンクーバーは、カナダ西海岸の玄関口であり、ブリティッシュコロンビア州(通称BC州)最大の都市であるが州都は、同じ名前のバンクーバー島の南端にあるビクトリア市、英国のビクトリア女王に因む名前である。 
 

 ロッキー山脈に発したフレーザー川の河口一帯に先住民族が居住していたが1792年にイギリス海軍のジョージ・バンクーバー提督が南北に細長い大きな島、のちにバンクーバー島となづけられたが、この地域に入り、今のシアトル付近まで到達した。やがて、この地にヨーロッパ人の入植がはじまり毛皮の交易などが行われていった。1858年にフレーザー川の下流で金鉱が発見されゴールドラッシュが始まった。次第に今のバラード湾の入江で林業が盛んになり製材所ができた。一帯はグランビルと呼ばれていったが、今のギャスタウン辺りが入植市として港湾労働者や製材所の作業員などが集まる繁華街となっていった。1885年に大陸横断鉄道の終着駅が建設され「バンクーバー」という名前が付けられた。1886年に「バンクーバー市」が施行された。大陸横断鉄道がバンクーバー港と接続し、カナダが太平洋岸からも世界各国へつながることとなった。カナダの天然鉱物資源や工業製品、石油などの輸出の港湾業や水産農林業、観光などでこの一帯は成長し、今やメトロバンクーバー(大バンクーバー都市圏)は、トロント、モントリオールに次ぐカナダ第三の大都市になっている。 
 
 前述したように、バンクーバーは州都ではないが国の行政機関の各部門の出先などが多いことや金融機関などが多いこと、UBC(BC州立大学)、医療や福祉関係法人や施設があることなどから1976年を皮切りに様々な視察や研修団をご案内してこの町は幾度も訪れている。医療・看護、障害者関係、保育や教育、農業や水産、食肉関係など多くは通訳も兼務していたので今でも懐かしく覚えており、個人的にも親しみを覚える町である。2010年に冬季オリンピックが行われたこともあると思うが都市圏内の交通機関が良く発達しており、障がいのある方にとっても歩きやすく親しみやすい町であろうと思う。 

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 バンクーバー国際空港は市の南側リッチモンド市にあり、都心までは30分程度であるが、到着時は小雨模様であった。このあたりからアメリカのワシントン州にかけて海岸山脈の西側は雨が多く、森林が茂っているが市内も木立が多い。初秋の日本、成田を発ったとき気温は30℃、まだかなり暑かったが、バンクーバーは13℃くらいで小雨も降っており、かなりひんやりしていた。クルマは日本と違って右側通行であるが一方交通も多いので皆さんご注意ください、と現地のガイドから案内があった。通りにはスーパーや小型の店舗、ガソリンスタンド、集合住宅などが続くがさすがに道路幅は、日本よりずっと広く、町はどこまでもゆったり広がっているような感じ。小雨に煙りながらも都心の高層ビル街は悠々としており、見事な都市景観が広がっていた。 

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 降りたのはグランビル・アイランドだった。市の中心部南側に広がるイングリッシュ湾に面したウォーターフロント部分であり、かつては製材所などの工場や倉庫などが並んでいたが再開発されて今は、マーケットやレストラン、カフェ、土産物店などが並んでいる。多くの観光客や市民が訪れる人気スポットになっており、目の前には、中心街の美しい風景が広がっている。一行は、散歩したり、写真を撮ったり、ひと時を楽しんでいただいた。途中、お一人が転倒されたが大事には至っていないとのことであった。傷みがひどくならないようにと、願いつつそぞろ歩きを終え、シーフードレストランで昼食。その後、市内中心部にあるホテルに入った。 
 
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 早めのチェックインの後、それぞれお部屋に入り、休養していただきたいとご案内した。ここでは、アクセシブルルームも4部屋確保でき、事務局スタッフにも各部屋の様子を確認いただいたところ、快適らしいとのことでホッとした。この日の夕食は各自で、ということで近くのコンビニやデリカなどファストフードを買ってくるなどそれぞれに準備された。翌日は、フリータイムになっていたが皆さんは、ノースバンクーバーの後方にそびえるグラウス・マウンテンへの遊覧に行きたいとのことでそちらへご案内することを予定した。この日は、自分もコンビニでサンドイッチと飲み物を買い求め、部屋で食べながら明日のグラウス・マウンテンの案内に供えていたところ、代表のY様から連絡があった。昼間、グランビル・アイランドで転倒されたお客様の腕の傷みが昂じておられるとのことで病院にお連れして欲しいとのことであった。フロントに相談したところ、ホテルの近くにある救急病院を紹介された。病院に電話したところ、すぐ来るようにとのこと、タクシーで数分のセント・ポール病院へご案内した。チェックインしたころからの雨はかなりの強さの本降りになっていた。(以下、次号) 
 
(写真と資料、上から順に) 
クィーン・エリザベス公園からのバンクーバー市遠望 2009年9月1日筆者撮影 
 バンクーバー国際空港から市内へ、車は右側通行 2019年9月17日筆者撮影 
 グランビル・アイランドのマーケット 2009年9月1日 筆者撮影 
 グランビル・アイランドにて 2019年9月17日 筆者撮影