2026.02.24 小野 鎭
一期一会 地球旅 401 山梨への旅(2) 昇仙峡
一期一会・地球旅 401 
山梨への旅(2) 昇仙峡 

昨秋、河口湖畔で2泊3日滞在した。そして、中の一日は絶景を期待して昇仙峡を訪れた。はるかな昔、2度くらい訪れているが時間の都合や天気など様々な事情で峡谷の見どころ全部を訪れたことはなかった。他にも10数年前、車を買い替えたとき、試運転を兼ねて妻と二人でドライブしたこともあり、彼女を偲びたいという気持ちもあった。
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今回は、河口湖からそのまま北上して新御坂(しんみさか)トンネルを抜けて笛吹市内から甲府市内を通って、1時間半くらいかかったであろうか、昇仙峡入り口に着くことができた。県営無料駐車場(昇仙峡バス停)にクルマを置き、ここから小型バス(昇仙峡渓谷オムニバス)で仙娥滝上の遊歩道入り口まで行った。滝上エリアと呼ばれているらしい。すぐ目の前には、影絵の森美術館があり、森の駅と書いた看板が出ていた。橋を渡ると土産物店や飲食店などが並んでおり、水晶街道と名付けられている。山梨県は古来、奥秩父の金峰山周辺で良質な水晶が採掘された歴史を持ち、日本有数のジュエリー(宝飾)産地となっているとのこと。江戸時代に水晶研磨の技術が伝わり、明治時代以降、国内外の貴石加工技術が発展して「宝石の街・甲府」の基礎が築かれとある。昇仙峡には、水晶宝石博物館という大きな宝石店もある。
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土産物店や飲食店などを横目に見ながら、歩いて五分くらいであろうか昇仙峡ロープウェイの駅に着いた。山麓の駅(仙娥滝口)までは10数段(?)の階段があり、杖を使う身には少々ハードな試練であった。今、この項を書くにあたり、電話をかけて聞いたところ、表通りから駅に上がるにはスロープもあるとの説明があった。駅からロープウェイ乗り場までは、さらに階段があるが、階段横には昇降機が設置されている。これは実際に見ていたので念のため、この設備についても聞いてみた。利用にあたっては、係員に申し出ると動かしてもらえるとのこと。それを利用すればロープウェイの乗車口までは容易に行けるであろう。ただし、車いす使用の方は、昇降機に自分で移乗するか、介助者が必要とのこと。予め、この会社に電話をするなど事前に問い合わせることが望ましいと思う。なお、ロープウェイの乗車賃は往復1,500円、障害者手帳を提示すれば半額とのこと。
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実は、私たちは、オムニバスのクルマを降りたとき、目の前の森の駅をロープウェイの駅と勘違いして、影絵の森美術館と組み合わせた切符を買ってあったので、山麓駅では切符を買う必要はなかった。ロープウェイは46人乗り(ガイドを含む)らしいが 紅葉の真っ盛りの週末、加えて素晴らしい好天であったので観光客が長い列を作っており、2度くらい待ったような気がする。山麓駅から山頂駅のパノラマ台までは5分ほど。上るにつれて乗務員(ガイド)の説明そのままの絶景が拡がっていった。富士川支流の一つの源流にあたる荒川ダムがはるか下に見えていた。パノラマ台は海抜1058m、ここにもかなりの段数の階段があるが昇降機が設置されている。自分も雄を鼓舞して使って見ればよかったが今回は自分で上がっていった。
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さわやかな秋空に映えた南アルプスの雄大な光景を望むことができた。案内図を見ると、農鳥岳,間(あい)の岳、北岳、鳳凰三山、仙丈ケ岳、甲斐駒ヶ岳など3000m前後の山々が指呼の間に広がっているようだった。昔、夏休みに家族で出かけて、八ヶ岳の南麓にあったホテルから眺めた甲斐駒の雄々しい風景が思い出された。再び、ロープウェイで下りて静観橋付近まで戻った。影絵の森美術館では藤城清治氏の影絵が展示されていたが結局この日は入館しなかった。このバス停から遊歩道への階段を降りていくと峡谷が深くなり、美しい紅葉と花崗岩が切り立った美しい風景があった。階段で苦労はしたがやはり来てよかったと思わせる光景であった。ここからもう一度階段を上ってバス停まで戻るか、先ほど、オムニバスのドライバーの説明にあった県営駐車場まで峡谷の絶景を眺めつつ40分かけて歩くか迷った。そして、今回は、戻ることをやめてこのまま峡谷内を下りて絶景を堪能しつつ駐車場まで戻ることにした。昇仙峡一番の見どころは、やはり峡谷内を歩いて自らそれを眺めるに限る、というのが私の考えだった。
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最初の見どころは、仙娥滝。昇仙峡の最奥部にあたるところに花崗岩の岩肌を削りながら落ちる落差30mの滝は見事な眺めであった。そこからは階段と坂道が続き、加えて大小の岩があり、杖歩行には難行苦行であった。美しさと威厳に満ちた風貌の覚円峰、次いで石門などの絶景、折しも真っ盛りの紅葉、谷底から見上げる澄んだ青空に映える周囲の山々とのコントラストに目をやりながらふもと(県営駐車場)を目指した。息子たちは、遠くから私のことを気遣いながらも先へ先へと進んでいる。何とか追いつこうと歩を進めるが所詮敵わなかった。
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昇仙峡は、全国観光地百選の渓谷の部では第一位を得ているとか。この時期、白や黒に輝く花崗岩の石峰や石壁と木々の紅葉、そしてこれらを秋の陽が美しく照らして見事な風景に思わずシャッターを押したくなる。さらに、時々休んでは、ひたすら歩き、出発してから40分はとっくに過ぎて、1時間以上歩いてきたと思う。それでも、駐車場まで500mという小さな案内を見つけて、それを頼りに最後の力を振り絞って何とか駐車場まで歩きとおすことができた。駐車場には、多目的トイレがあることを朝、ここに着いたとき、確かめておいたのでこれも安心であった。 

この後、甲府市内へ戻って、遅い昼食。市内を少し回って富士五湖方面へ。朝は、国道137号線を通って笛吹市内へ出てきたが、帰路は、甲府市内からまっすぐ南下、358号線を走って精進湖方面へ向かった。精進湖は、本栖湖と並んで富士山の北麓の西の方角にあり、私たちが到達した頃にはすでに晩秋の弱い陽射しが落ちようとしていたが、白雪をいただく富岳の絶景を仰ぐことができた。この日は、河口湖畔の富士レークホテルにもう一泊することにしていたので、そのまま東京まで帰ることに比べると気分的には楽だった。
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ところで、この日、昇仙峡や甲府市内などをずいぶん歩いたので万歩計を見たところ、12,500歩になっていた。息子たちがスマホの歩数計を見たところ,7,500歩くらいだとか。同じ距離を歩いているはずなのにこの違いは? 考えるまでもなく、歩幅の違いであった。私も現役の頃は、駅の階段を1,2段おきに駆け上がっていたが今は、手すりにつかまりながら階段を一歩ずつ確かめながら歩く始末。それでも、これからもしっかり歩くことを大切にしたい。(山梨の旅、終わり) 

《資料》 
・山梨県はジュエリー(宝飾)の山地 : Wikipediaより 
《写真、上から順に》 
・仙峡渓谷オムニバス 乗車券 
・昇仙峡ロープウェイ 乗車券 
・ロープウェイからの風景、後方に荒川ダム (2025年11月 筆者撮影) 
・パノラマ台からの南アルプス (同上) 
・仙娥滝 (同上) 
・昇仙峡にて、後方の白い岩峰が覚円峰 (2025年11月) 
・精進湖から見た夕暮れの富士山 (2025年11月 筆者撮影)