2023.05.23
小野 鎭
一期一会 地球旅 262 カナダの大自然と遊ぼう6
一期一会・地球旅 262
カナダの大自然と遊ぼう ➅ バンクーバー ④
ホテルに戻り、夕方まではフリータイム、休養された人たちもあればショッピングに出かけられたグループもある。自分は二つの用向きがあった。
一つは、昨夜のSt. Paul’s Hospitalへ行ってお客様の領収証と診断書を受け取ること。夕方近くの病院はすでに繁忙な時間を過ぎており、受付や待合室もわりに静かであったが、もう一つの入り口は救急室になっており、救急車が出入りするなど忙しそうであった。大学の教育病院としても機能しているので医学生や看護学生らしい姿も見える。年齢層もまちまちであり、誰がResidentであり、だれがInternであるのか分かりにくいがIDを兼ねた写真付きの名札をしっかり付けているので院内ではそれがより確実な証明になっているのであろう。テレビドラマで出てくるER(Emergency Room=緊急救命室)はシカゴのクック・カウンティ病院がモデルになっているとか。昔、訪ねたことがある。団員諸氏も興味深く、一層真剣に見学しておられたことを思い出す。テレビドラマでは、毎回、緊張の連続であり息もつかせぬ忙しさであった。大きな総合病院のERはそんなに忙しいのだろうかと毎回思ったが、自分も欧米の病院をたくさん訪れ、ERも訪ねたことが思い出された。カナダでは、トロントのトロント総合病院やマウント・サイナイ病院の救急科を訪ねた。いずれも世界でトップクラスの医療施設であるらしい。病院や障がい者施設、リハビリテーション施設などを訪ねたことが懐かしく思い出される。しばらく待たされたが、前夜依頼していた書類を受け取ってお客様にお届けした。帰国後、継続治療をしていただくとか、保険会社へのコンタクトなどをしていただく際に必要な書類である。これで、一つは一件落着。
もう一つは、この日の夕食の確認。当日はウォーター・フロント近くにあるハーバーセンターにあるTop of Vancouver Restaurantに直接予約を入れてある。高さ167mの回転レストランであり、メニューは勿論、展望が素晴らしく、これまでもお客様には好評を得てきた。陽が落ちると、メトロ・バンクーバーの広大な夜景が広がり、うっとりする眺めを楽しみながら夕食はお客様にとって忘れられない旅の思い出になっていると思う。食事は、旅行のなかでもウェイトの大きな必須条件であり、視察や研修で出張扱いとして参加され、旅行は毎日3食付きの場合が多かったので毎回工夫することが添乗業務の中で一番の苦労であったと言ってもいいだろう。出発前に現地手配会社を通じて準備しておくことも多かったが、移動日であるとか市内見学、フリーイム等は旅行中に運転手から情報を得たりしながら手配することもあった。結果的に分としては我流であったが、お客様には喜んでいただいてきたと自負している。
今回のグループは、全朝食は込み、移動日と市内見学などのところは予め組み込んでおくこととしてあった。夕食はおおむねフリーであったが、旅の最初と最後は会食を兼ねて会食スタイルを準備することとなっていた。そこで、最初のバンクーバーは夜景を楽しみながら、シーフードの夕食をお楽しみいただこうとの趣向であった。ホテルからは徒歩10分くらい、昼間はグラウス・マウンテン遊覧などもあったが、夕方までの休養でお疲れからも回復されており、そぞろ歩きで足取りも軽かった。今回は、ロブスターのグリルがメイン。昔に比べると少々大味だったような気もしたが、皆様には、宝石をちりばめたようなメトロ・バンクーバーの美しい夜景に目を細めながら、この日の夕食をお楽しみいただけたと思う。
裏話を一つ加えておきたい。昔は予約するにあたっては、ファックスで予約を依頼し、旅行中、途中から電話でより詳細を伝え、現地払いでOKとの最終確認をしていた。しかしながら、最近は馴染客であっても、グループなどでは、クレジットカードの番号を伝え、一定金額の前払い(内入れ金扱い)を求められことが多い。もし、意訳した時は、店側としては大きなロスが出ることになるので危険防止のためにも客側には一定の責任を持っていただくということであろう。店側としては、至極当然のことであろうとはよくわかるが、大勢のお客様をお連れする以上、私の方から違約するつもりはなく、きびしいなあ、と思いつつも、これが最近の動きなのだと理解せざるを得ない。(以下、次号)
(写真と資料、上から順に)
マウント・サイナイ病院(カナダ・トロント) 救急科入口 : 社会保険病院看護事情視察団報告書より(2001年11月1日)
トップ・オブ・バンクーバー・レストラン : 2019年9月18日 筆者撮影
トップ・オブ・バンクーバーにて会食 : 2019年9月18日 筆者撮影
ロブスター・グリル(トップ・オブ・バンクーバーにて)2019年9月18日筆者撮影