2023.06.26 小野 鎭
一期一会 地球旅 267 カナダの大自然と遊ぼう11
 一期一会・地球旅 267 
カナダの大自然と遊ぼう ⑪ カナディアン・ロッキー ① 

 1990年のカナナスキスなどを巡った旅行は今から30数年前であり、当時としては皆様に予想以上に喜んでいただけたし、大成功であったと思う。この時の思い出としてほかにもいくつかあるので、それらについては改めてご紹介させていただくこととして、先ずは今回の「カナダの大自然と遊ぼう」2019年の旅行について書いていきたいと思います。
 今回の大型バスはリフトこそなく、ステップが4段くらいあり、車いす使用の方はご家族や事務局のメンバーが相互に支援して乗降車をしていただいている。皆さんにご不便をおかけしているが、席数は50席くらいある。いったん乗車していただくと車内ではゆっくり、ゆったり快適に過ごしていただけるし、座席が高いので見晴らしもよく、大自然の雄大な景色をお楽しみいただけたと思う。2時間ほどでバンフに到着、先ずはカスケード・ガーデンという公園で下車。新鮮な山の空気を腹いっぱい吸っていただいて美しい花々の鑑賞しながら散歩していただいた。バンフの町のランドマークとして、この町の背後にそびえる三角形の見事な山容を見せているのが海抜2998mのカスケード山でありそれがこの庭園の名前として使われている。
 昨日、カルガリーでは広々とした都市美を味わっていただいたが、ここバンフは2~3千㍍の山々に囲まれた盆地で海抜1384mあり、レイク・ルイーズの集落に次いでカナダでは二番目に標高の高い集落だとか。町の起源は、1880年代にカナダ太平洋鉄道によって観光地として開発されたそうである。1883年に偶然、温泉がみつかり観光地として開け、鉄道経営を後押しする狙いもあってリゾート地として宣伝された。一帯は、ロッキー・マウンテンパークと命名されて1887年(明治20年)にカナダ最初の国立公園として指定された。カナディアン・ロッキーは、カナダ西部の北のユーコン準州に始まり、アルバータ州とBC州の州境を北から南へ延びる大山脈でさらにアメリカ合衆国へ続き、ロッキー山脈として称され、各地で大陸分水嶺を成しているところもある。カナダでは、3千~4千㍍近い山並みが続き、氷河、峡谷、湖水、川などがつくる大自然の風景が素晴らしい。バンフからジャスパーへのIcefield Parkwayはその名の通り、どこまでも続く山なみに氷河がかかり、荘厳な風景が展開する。この山岳道路を走っているとため息の連続! 一帯には、バンフ、ジャスパーなど4つの国立公園と三つの州立公園があり、関東地方の2/3に匹敵する広大な地域が世界自然遺産として登録されている。今回は、この雄大な大自然のなかでの代表的な山岳リゾートであるバンフに4泊するという行程であった。 


 カスケード庭園で小休止したあと、バンフの町の背後にあるサルファー山に上った。バンフ・ゴンドラという名前のロープウェイが架けられており、頂上からの景色を堪能できるほか、山上でも様々なアトラクションを楽しむことが出来る。ゴンドラは、4人乗りでアクセシブル、麓駅と山頂駅ではそれぞれ駅のスタッフが乗降を手伝ってくれるので気軽にご利用いただけると言ってよいと思う。山頂駅に着いて驚いた。10年前に比べると様変わりともいうべきか。以前は、展望台とカフェ、トイレなどくらいしかなかったが、今はがっしりして洒落た大きな建物がつくられており、ノーザン・ライツ(Northern Lights)というビュッフェがあり、セルフで順に料理を取って好みの食事ができるようになっている。少人数の時は先着順となるが、グループの場合は、前もって予約をしておかないと長時間待たされることもあるらしい。以前に比べると格段に観光客が増え、特にグループが多く、昼食時はとても混雑するとのこと。この旅行の準備段階で、現地手配会社にサルファー山頂で昼食したいと伝えたところ、事前予約の必要性を強調された理由がよくわかった。 

 この日は、カルガリーでの朝食からかなりの時間が過ぎているので空腹であり、先ずは昼食。こんな時は自由に好きなものが選べるビュッフェは喜ばれる。メンバーの食べっぷりは見事であった。食事を終えると屋上の展望台へ。昔と違って、大きく広いテラスになっており、勿論、アクセシブル。眼下にバンフの町とボウ・ヴァレー(ボウ渓谷)が広がっておりその中をボウ川の流れが緩やかにうねっている。そして、カスケード山始め3千㍍級の山なみがどこまでも続いており、奥の方は白雪をかぶっている高峰も多い。 

 ところで、この日、食事をとったNorthern Lightsとは一般的には、「北極のオーロラ」のこと。なんでオーロラなのかな?と思い、調べたところバンフは北緯51度付近に位置しており、オーロラが観測されたこともあるのだとか。そういえば、日本でも北海道の十勝地方などではまれに「低緯度オーロラ」が見られることもあるとか。(以下、次号) 


(写真と資料、上から順に)
バンフ・カスケード公園にて 2019年9月20日 筆者撮影
世界遺産カナディアン・ロッキー山脈国立公園群地図 Wikipedia 資料より
サルファー山ロープウェイ・Banff Gondola 麓駅 2019年9月20日 筆者撮影
ノーザン・ライツ ビュッフェ 2019年9月20日 筆者撮影
サルファー山頂の展望を楽しむメンバー 2019年9月20日 筆者撮影
サルファー山から見たバンフの町とカスケード山 2009年8月29日 筆者撮影