2026.08.17 小野 鎭
一期一会 地球旅 426 ドイツからオーストリアへの思い出、ミュンヘンからウィーンへ(8) またまたウィーンにて1
 一期一会・地球旅 426 
ドイツからオーストリアへの思い出、ミュンヘンからウィーンへ(8) 
またまたウィーンにて①
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ウィーン西駅に着き、大きなスーツケースを携えていたのでタクシーでホテルに向かった。2000年代に入って立て続けに3回もこの町には来ていたが、いずれも偶然ではあるが同じホテルであった。3回ともツアー・オペレーターが同じ会社であったためでもあるかもしれない。4回目の今回は個人旅行でもあったので市庁舎に近いリング通りに面したDe France Hotelに宿泊した。現役時代に宿泊したこともあり、社としてはいろいろなグループでも時々使っていたので自分としては割になじみ深いこともあるセミ・クラッシックなホテルであった。3泊したが結果的には居心地もよく、興味深い経験をすることになった。
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音楽関係の出版社に勤めている息子は、流石にクラッシックには強かった。もちろん、彼はロックも好きで私が現役のころは、よく頼まれてニューヨークやロンドンの大型レコード店に立ち寄ってはロック関係のCDなどを探し、買い求めてきた。もっともレコード店とは言いながら実際に探すのはCDであり、自分自身でさえ、レコードを買ってきたのは遥かな昔であり、スコットランドのバグパイプやアメリカ先住民のハープなどの音楽も買うのはCDであった。今になって改めて時の流れを感じるものである。私自身は、ロックはさっぱりで、皆目、見当もつかないので若い店員を見つけては、ロックのタイトルを伝えるとか、息子から頼まれたCDの写真などを見せて探してもらった。息子と同世代位の若い店員はさすがに呑み込みも早く、すぐに見つけてくれたし、彼らが来ているサイケな図柄がいっぱいに描かれたTシャツなども一緒に買ってくるとこれも喜んでくれた。あれから数十年も経つのにいまだにボロボロになったシャツを時々着ているし、いわば彼にとってはヴィンテージ物かもしれない(?)。そんなわけで、この旅行では彼にずいぶん助けられた。 

もちろん、私もモーツァルトやシューベルト、ベートーヴェンなどについて通り一遍のことは知っているつもりであったし、ウィーンでは、シューベルトの生家やベートーヴェンが住んでいた家などは何か所か知っていたが観光客的な知識でしかなかった。お蔭でこの旅行ではさらに見聞を広めることができたし、今までは通り過ぎていたところをもう少し注意してみることで新たな発見をすることもあった。ホイリゲではシュランメルと呼ばれるオーストリアの民族音楽をこれまで以上に聴いて楽しむとか、楽聖たちの墓参りも新たな期待であった。
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チェックインした後、夕食を兼ねて外へ出てみた。家族3人であり、この時は特に予定したところもなかったので先ずはウィーン名所の一つ、大観覧車(Riesenrad)に行ってみようということになった。ホテルは地下鉄のショッテントア/大学駅に近く、電停もあるので足場としては具合が良い。ここからU-bahn(地下鉄)で10分足らずで観覧車のあるプラター公園まで行ける。ウィーンに行くたびにお客様に大観覧車をご案内してきたが、多くの場合、貸切バスであった。今回は地下鉄で行くことになり、新たな体験である。今回はこの町に3日間滞在するので72時間有効な「ウィーン・カード」を購入しこれをフルに使った。 

Vienna Info.には、観覧車は広大なプラター公園の一角にあり、市内の名所としても特に名高い。「高さ65mの高さから見る町の風景は圧巻です。『ウィーンには大観覧車に乗らなければウィーンを訪れたことにならない』という暗黙のルールがある」とか。1897年、皇帝フランツ・ヨーゼフ即位50周年を間もなく迎えるにあたり、建設されたとある。今日では、日本に限らず、これよりもさらに規模の大きな観覧車は随所にあるのでさほど珍しくはあるまいが、19世紀末、日本では明治の中期であり、当時はハプスブルク帝国がヨーロッパの中でも文化・経済・工業的にも大きく発展していたことがわかる。
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観覧車やウィーン川の暗渠が映画「第三の男」で登場したシーンは有名であるが、映画そのものが製作されたのは1949年である。リヴァイヴァルで見た人もあると思うが日本から案内したお客さまには2000年代になるとそれほど話題にもならなかったことが多い。これも時代の流れということであろう。次第に、1987年の「007/リヴィングデイライツ」などにも登場するなどと最近では案内されている。これはヨーロッパ映画文化の至宝の一つとして加えられ、ウィーンの風景はハリウッド映画では高く評価されているという。また、「Rex」というウィーンの警察犬が活躍するドラマがCATVでも人気があるが実際に使われているお金はユーロではなく、かつての通貨単位のシリングであり、1990年代の作品。しかし、街の風景は昔も今もあまり違和感なく見られるのが興味深い。観覧車から暮れなずむウィーンの町とドナウ川に浮かぶ遊覧船の灯が川面に写っているのを眺めて観覧車を下りた。 

プラターの遊園地を出て、中心街に戻り、先ずは夜空に向かって堂々と立っているオペラ座(Staatsoper)を見上げる。正面横から中心街随一のケルントナー通りが始まり、その向こうにシュテファン大聖堂の尖塔が立っている。そこから少し歩いて、何となく雰囲気のありそうなレストランで夕食を摂った。入口には、ツィターの演奏があると看板に出ており、これに魅せられて店に入った。味がどうであったかは、覚えていないが、多分、ウィンーナー・シュニッツェル(仔牛の肉のカツレツ)を食べたような気がする。今もツィター(Zither)などの伝統的な生演奏を楽しめるのは旧市街の歴史ある古酒場やホイリゲ(ワイン居酒屋)とあり、ローカルな雰囲気の中での郷土料理と音楽を堪能できる店などとあり、まさにそのものずばりであった。 
翌日は、人並みにシェーンブルン宮殿見学、とは言いながら、今回も庭園奥の丘の上に建っているグロリエッテまでは行くだけの時間的余裕もなく、割愛してしまった。毎回思うことだが、この広大な宮殿を見学するには1日を割く必要がある。そんなことを愚痴りながら、午後はStadt Parkを散策してシュトラウスやシューベルトの像に挨拶。公園の一角にあるクアサロンで当日夕方のコンサートを聴こうと切符を買った。さすがにオペラ座や楽友協会(ウィーン・フィルなど)の当日券は容易には買えないが、クアサロンなどではほとんど毎夜何かのコンサートをやっているので、こういっては申し訳ないが、気楽には聞けるのが嬉しい。夕方、少し服装を改めて出かけ、ちょっとだけ優雅な気分に浸ることができた。コンサートが終わり、少し歩いて、楽友協会(Musikvereins)の建物を見上げてはため息をつき、何枚も写真を撮った。生の演奏を聴く機会には恵まれないが、これは正月のNew Year Concertで我慢しよう! そして、そのすぐ近くにあるベートーヴェンの座像に向かい、幾度もシャッターを押していた息子の興奮した様子が今でも思い出される。ウィーン・フィルの演奏会などを聴くためには、それを目的に旅行計画を立てて予め準備しておくことが必要であることは言うまでもない。(以下、次号) 

《資料》 
・観覧車、第三の男 :Vienna Info. 
・ウィーンの郷土料理:Vienna Info. 

《写真》 
・Tower Records  London Piccadilly Shop(1990年代): Reddit 資料より 
・The Pipes and Strings of Scotland (CD):スコットランドのエディンバラで購入 
・ウィーンの大観覧車(Riesenrad):Austria Info. 
・テレビドラマ Kommisaar Rexのポスター(1994年):Reelgood資料より 
・シェーンブルン宮殿のグロリエッテ:2011年筆者撮影 
・楽友協会ホール(Musikvereins Gebäude):2011年筆者撮影