2016.11.30
小野 鎭
一期一会地球旅136「地球の歴史を見に行こう 大峡谷への旅 その1」
一期一会 地球旅 136
地球の歴史を見に行こう 大峡谷への旅 その1
氷点下の世界から戻り、現地での様々な経験はいつまでも熱い思い出となって残っている。 2013年の暮れ、特定非営利活動法人ビーポップ様と障害者の社会参加をすすめる会様恒例のDream Decemberではフィンランドへの旅行の楽しい思い出の動画も紹介され、参加された方々は懐かしさもひとしおのようであった。年が明けて、しばらくして、次はアメリカの大自然を見に行くプランを考えて欲しいとのご希望が寄せられた。ヨセミテ国立公園などもあるが、ここは、世界で一番大きく、深い谷を見に行こう、ということで話がまとまった。 これまで、世界で一番美しい海、そして、山、さらには空を見に行こうという旅をご案内してきたが、今度は見上げるというよりは、巨大な谷をのぞき込む、あるいは大平原のはるか彼方の地平線に至っている大きな風景を見に行く、そんな旅を考えて欲しい、ということになった。アリゾナ州の北部にあるグランド・キャニオン、その名もずばり大峡谷、谷の幅は20~30㎞余、深さは1,600mある。かつての海底が隆起して今は広大な高原となり、それをロッキー山脈からはるかに流れてきたコロラド川の流れ、さらに風雨や冬の氷、樹木の根などなど様々な自然の力が加わり、何百万年という気の遠くなるような時間をかけて大地を削って巨大な谷ができている。悠久の時は、いつしか長さ400㎞以上という峡谷をつくり、自然の造形美がどこまでも続いている。遥かに見おろす谷の底の両岸には20~25億年も前にできた岩石が露出して今もコロラド川の激流が岩を噛み、土砂を下流へ運び続けているとのこと。地球が誕生して46億年になるそうで、その半分近く、あるいはそれ以上の時間がここに眠っていることになる。考えただけでも気の遠くなるような時の流れである。