2017.03.29 小野 鎭
一期一会 地球旅152 地球の歴史を見に行こう ロサンゼルスにて(その2)

一期一会 地球旅 152

地球の歴史を見に行こう ロサンゼルスにて(その2)

     小一時間遅れての出発、やっと現れたガイドのAさんの案内で何はともあれ、予定されていたレストランへ向かった。前述したようにLA空港周辺はビジネス街が広がっており、さらに住宅街へと続いている。中型のバスであることを幸いに、渋滞している大通りをさけて脇道なども通り抜けてマリナ・デル・レイ方面へ向かった。この日は、ラスベガスをまだ暗いうちに発つことになっているので朝食はロスに着いてから、と予定していた。その場所を決めることについても手配会社とは幾度かやり取りしていた。サンタモニカあたりのパンケーキハウスなどを提案したが、最終日の夕食前に太平洋に沈む夕日を眺める案がだされ、2日にわたって同じところに行くのは面白くないであろう、ということになった。その結果、空港からすぐ近くにあるしゃれたレストラン、ということでまとまったのが有名なこのヨットハーバー近くであった。Panera Breadという全米各地にあるベーカリーとカフェを一緒にして評判の店があり、そこで、この日の朝食を、というのが結論であった。 やっとたどり着いたPanera Bread Marina del Reyは幸い、平日の朝とあって店内は空いていた。
店に入るといかにも南カリフォルニアらしい雰囲気の明るく軽やかな雰囲気で、とりどりのパンやサンドイッチ、サラダやスープなどが紹介されていた。最近のアメリカらしく、健康志向のレシピが意識されており、野菜や果物が主、そして、パンは大麦などのさっぱりしたものが多かったような気がする。空腹を抱えての朝食であったので手っ取り早く出せるものを、と考えたがサンプルとして置いてあるメニューと並んでカウンターの後ろの壁には楽しげなメニューが貼ってあった。相談した結果、一方的にお仕着せメニューで進めるより、皆さんにお好きなものを選んでいただくほうが良いでしょう、ということになった。いずれも代金は気にするような金額ではないのでまとめて支払うので、2~3人ずつ店員に希望のメニューを注文していただき、テーブルで待つことになった。ところがこれは結果的には大失敗であった。カウンターに立っている二人の若い店員は、最初のうちは、テキパキと注文にこたえていたが、次第に頭が混乱してきたらしく肝心の品物が出てくるまでの待ち時間が長くなっていった。早い人は数分で注文通りの料理(?)をいただけたが、中には15分以上も待たされるグループもあり、じっと我慢の子! 近年、アメリカの世界的なコーヒーチェーンが日本にも進出して大いに流行っている。かなり混んだ時間でも店ではテキパキとお客様の注文に応じており、日本では、それほど待たされることもない。この種の店に限らず、特にファミリーレストランなどではマニュアルに沿った店員教育が徹底されており、日本的細やかさも加わって日本ではそれほど極端に待たされることはあまりない。ところがこの時は、一時(いちどき)に20名近くのお客様からとりどりの注文が出されてうまくさばききれないというお粗末な事態であった。それでも店長が出てきて対応するとか、そのような様子は期待できなかった。後から考えてみると、当初からいくつかのメニューを選んでまとめて注文し、その上でお客様に好きなものを選んでいただくなどの方法を取った方が効率的、かつ、効果的であったかもしれない。幸い、お客様はご自分で選ばれたパン、サンドイッチ、スープ、サラダ、ヌードル、そしてフレッシュ・ジュースやコーヒーなど好き好きに召し上がっていただき、お腹を満たしていただくことができたのがせめてもの幸いであった。
マリナ・デル・レイは世界的にも知られたヨットハーバーであり、周辺を回って車窓からご覧いただくことも考えていたがチラッと望見していただくだけに終わった。そして朝食後は広大なロサンゼルスの広域都市群の中を網の目のように結んでいるフリーウェイを走ってハリウッド地区へ向かった。
この日の午前中は、3時間ほどの観光を予定しており、ハリウッド地区に着いたのは10時過ぎであった。南カリフォルニア一帯にはたくさんのリゾート地やテーマパーク、映画やTV番組の制作スタジオ、音楽などのエンターテインメント関係を始めとして旅行者にとってはそれぞれの興味に沿った見どころがたくさんあり、時間はいくらあっても足りないほど。今回は、ハリウッド地区を先ずは見物しよう、ということであった。ハイランドセンター一帯は、その目玉ということになる。アカデミー賞の授賞式が行われることでも有名なドルビーシアターとそれを囲むように高級ブティック街やレストラン、ホテルなどがつづいている。
ハリウッド大通りにはTCLチャイニーズシアターが独特のスタイルで建っており、玄関前に残されたスターたちの手形や足形とサインなどがたくさんの人が夢中で見入っている。通りには、星形の敷石がはめ込まれ、各分野で活躍した人たちの名前が刻まれてWalk of Fameと呼ばれている。若い世代は話題のテレビ番組や映画、音楽を楽しみ、年を重ねた人たちはかつての映画全盛時代を懐かしく思い出すひと時でもあった。メンバー各位は、ここで1時間あまり観光とフリータイムを楽しみ、残りは明日のフリータイムに地下鉄でお出で下さい、と案内してバスへ戻っていただいた。ロスのダウンタウンまでフリーウェイで20分余りであっただろうか、朝夕のラッシュの時は1時間余りかかったこともあるが昼間はさすがに速い。
ダウンタウン一帯もビジネス街だけでなく、都心の荒れた一角であったところに超近代的なWalt Disney Concert Hall ができており、目を見張るような斬新なアイデアの外観は驚きであった。そしてすぐ近くにLittle Tokyoがある。往時ほどではないが、日本人町はいまも息づいている。かつて70~80年代の高度経済成長時代、日本からの団体客が買い物に見物に食事にと訪れて活気あふれる一帯であったが、いまはそのにぎやかさもすっかり落ち着いた感じであった。
すでにお昼を回っており、ここで昼食。アメリカサイズの和定食は、山盛りの天ぷら、刺身、ごはん、みそ汁、漬物などの取り合わせ。皆さんにとっては1週間ぶりの日本食、文字通り夢中で召し上がっている様子が微笑ましかった。朝の出発の遅れと朝食時のイライラなどへのお詫びの気持ちを表すため、細やかではあったがここでの飲物代はすべてご馳走させていただいた。久しぶりに気の置けない日本食で満腹していただき、午後2時頃であっただろうか、この日から2泊するMillennium Biltmore Hotel に落ちついた。 (資料 上から順に、 ことわり無しは筆者撮影 2015年9月) Panera Bread  Marina del Rey(資料借用、 ただし、いまはこの店はCloseらしい) 同上 店内にて(B-POP様提供) マリナ・デル・レイ風景(資料借用) Dolby Theatre にて Walk of Fame (B-POP様提供) こざっぱりした雰囲気のリトル・トーキョー(同上) この日の和定食(同上) (2017/03/28) 小 野  鎭