2017.04.12 小野 鎭
一期一会 地球旅154 地球の歴史を見に行こう ロサンゼルスにて(その4)

一期一会 地球旅 154

地球の歴史を見に行こう ロサンゼルスにて(その4)

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ロサンゼルス(LA)到着日の午後と夕食はフリーということでメンバー各位は三々五々ダウンタウン一帯を散歩されたり、ユニオン駅へ出かけられて楽しまれたグループもあった。 翌9月23日、この日も夕方までフリータイム。今回の旅行では実質的には最終日であり、思い切り楽しい一日を過ごしていただこうということで設けられていた。結局、メンバー全員がユニバーサルスタジオを行かれるとのことであった。南西カリフォルニア一帯にはこのユニバーサルスタジオ始め元祖ディズニーランドなど大小のテーマパークがいくつも点在していて、どこも人気があり、いつも賑わっているらしい。特に、映画でおなじみのアトラクションがいくつも組み込まれているユニバーサルスタジオハリウッド(USH)をメンバーは楽しみにしておられた。しかし、実際にはパークの中には入場せずに、その前にあるシティウォークといういわば場外アトラクションとたくさんのお店が並んでおり、買い物、食事、そしてそぞろ歩きなどを楽しもうと予定されていた。ガイドブックだけでなく、ホームページも活用して、驚くほどの下調べをされていた。
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USHは前日訪れたハリウッドの北側にあり、ダウンタウンからはメトロレイルのレッドラインで30分くらいであろうか、駅名もユニバーサルスタジオそのものであり、とても足の便が良くなっていた。筆者がアメリカを頻繁に訪れていた70~90年代、Greater Los Angelesつまり広大なロサンゼルス都市圏には網の目のようにフリーウェイが設けられており、市街地にはどこまでも伸びる格子状の道路がびっしりと続き、圧倒的な台数のクルマが走り回り、公共交通としては地域ごとに交通局などのバスが走っているくらいであった。
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つまり、大都市圏に求められる交通手段としてバス以外の地下鉄や郊外電車など鉄道網はここにはほとんどなかった。従って、どこへ行くにも市民はクルマが足、しかも家族で数台所有するというのが殆ど当たり前と聞いていた。この時代は、自動車抜きでは生活が成り立たない、それが自動車全盛時代のアメリカの多くの近代都市の姿であった。50~60年代、全米中でFreeway が建設され、LA地域はその最たるものであった。安い石油とモータリゼーションがその根底にあり、アメリカの経済的発展を促した一つの大きな象徴であったのだろうと思う。勿論、19世紀末から20世紀前半にかけて都市部においては市電などが走っていたが急速な都市の発展と大量生産される自動車時代の到来で次第に市電などは消えていったらしい。誰もがクルマを自分の足として使い、Door to Doorを結ぶ便利さになれ、それが当たり前になっていた時代。
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しかし、やがて排気ガスと大気汚染、騒音、交通渋滞などが大きな社会問題となっていった。そこで、鉄道網による大量輸送が改めて見直されることになり、多方面から検討されてきたが、巨額の費用を要することからも容易には事態は解決しなかったと聞いている。そんな時代を経て、やっとLA郡運輸局が地下鉄とLRTやバスによる交通手段の整備が進められ、90年代になって少しずつ実用化されてきた。今では6本の主要路線が完成しており、昔に比べれば鉄道での移動がずいぶん楽になってきたことを感じる。これも変わりゆくアメリカの歴史の一部を垣間見た気がしている。
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1994年に公開された映画「スピード」では、ロスの地下鉄工事や暴走する車両が衝突して地上に飛び出してしまうというシーンがあり、それは、何とハリウッド大通りのチャイニーズ劇場の前、メンバーが昨日、市内観光で訪れたその場所であった。また、この映画の別のシーンで出てくる地下鉄の駅Pershing Squareで身代金のやり取りが行われるのがBiltmore Hotelの前あたりとあっては、何とも今回のツアーと縁のある映画ではあった。筆者は、2007年、専門学校時代に研修旅行で学生とともにLAに数日間滞在したが、車いす使用の特別講師にも同行していただき、リフト付き貸切バスで視察や移動を行う一方、それ以外の時間は公共交通機関、とくにメトロレイルやメトロバスなどをフルに使って効率的に動くことができた。
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それから10年、その後、メトロレイルはさらに建設が進み、もっと普及してきていると聞いていたのでどれくらい快適に動くことができるのかそれ自体とても興味深いことであった。
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話は横道へそれてしまったが、フリータイムが多い今回のLA。メンバー各位が動きやすいようにとホテルにチェックインしてひと休みした後、夕方、地下鉄の利用の仕方を覚えていただこうとホテルから至近の駅であるPershing Square Station に案内した。駅に降りて行くにはエスカレーターと階段、そして同名の広場の反対側にエレベーターがあり、ちょっと回り道をしなければならないがそこを通って駅へ行った。メトロレイルやメトロバス共通のTap CardはちょうどSuicaやPasmoと同じような前払い式カードであり、LA滞在中、利用回数をある程度計算して、それを満たす金額を自動販売機に入れてカードを入手していただいた。アメリカの多くの駅やバスの案内には、この駅に限らず英語での説明だけでなく、スペイン語が添えてあるのはごく普通。LA地区では特にメキシコ系の顔が溢れており、ダウンタウンのある通りなどはそこがアメリカであることを忘れさせるような風景さえある。
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この駅でも乗り降りする顔ぶれはメキシコ系が多く目につく。プラットホームはLAでは多くの駅でゆったりと幅広く、ほとんどまっすぐ、そして車両とプラットホームの床面は段差もほとんどなく車いすの人にとって乗車は多分スムーズであろう。ただし、多くのアメリカの地下鉄等では、駅員はほとんど一人か二人しかおらず、それも案内と出札係と警備を兼ねたスタッフがガラス張りの部屋に座っていることが殆どである。
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日本の駅のように乗降者を手伝ってくれることはまずない。つまり、車いすの人たちも自助であることが前提となっており、介助者が必要な場合は他の乗客が手伝ったり、予め介助者同行が必要となっていると思われる。   メンバー各位は、メトロレイルの乗り方をいとも簡単に覚えられ、ある人たちは、早速、ユニオン駅まで行ったり、ダウンタウン一帯で数駅乗って夕食に出かけた人たちもあった。
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こうしてメトロレイルの乗り方を覚えたメンバーは勇躍、ユニバーサルスタジオ目指してこぞって出発された。     (資料 ことわりのないものは2015年9月撮影) LA第一夜、そぞろ歩きを楽しむメンバー(B-POP様提供) ロサンゼルス地域のフリーウェイのインターチェンジ(資料借用) 大ロサンゼルス地域の自動車専用道路網と主要道(同上) 参考 : 東京首都圏の高速道路網(同上) 映画「スピード」では、地下鉄の車両がハリウッド大通りへ飛び出してきた!(同上) メトロレイルの車両(同上) メトロレイルの路線網(同上) 参考 : 東京首都圏の鉄道網(同上) メトロレイルの利用方法勉強中!(B-POP様提供) メトロレイルでお出かけ(B-POP様提供)   (2017/4/11) 小 野  鎭