2017.06.29 小野 鎭
一期一会 地球旅164 地球の歴史を見に行こう リンデンハウス 秋の東北へ(6)

一期一会 地球旅 164

リンデンハウス 秋の東北へ(6) 松島や・・・

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ホテルから遊覧船乗り場までは徒歩5~6分であっただろうか、松島湾巡り観光船組合の仁王丸が予約してあった。想像以上に大きな船で一階席150人、二階席(グリーン席)48人、ほかに立ち席各62と40人があり、総定員300人乗りだとか。ふだんは波穏やかな湾内かもしれないが揺れることもあるだろう、立ち席は問題外。15時発が予定であるが、30分くらい前には船着場のある公園に着いた。日本三景の一つ、松島という碑が立っており、一帯は観光客がそこここで記念写真を撮ったり、アイスクリームをなめていたり、和気あいあい、楽しいひとときを過ごしていた。観光船乗り場には、10人くらいが並んでいただろうか、皆様には、出発15分くらい前にはそろっていただきたいとお願いして、団体乗船券を購入するため事務所に行った。10%とあまり大きくはないが障害者割引もある。皆さんには障害者手帳の写しはいつも携行いただいており、使える権利はフルに活用していただきたい。
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間もなく仁王丸が到着し、2時発の遊覧を楽しんでいた観光客が満ち足りたような顔をして降りてきた。この時間になると列は随分長くなっており、入れ替わりに船内へ入っていった。2階のグリーン席に上がっていく人たちもあったが、大多数は1階席、しばらくすると七割方の席が埋まっていたような気がする。3時を少し回ったころ、船は静かに岸壁を離れていた。午後の日がまぶしく照り映えている湾内を滑るように進んでいく。
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空はどこまでも青く、波も穏やか、大小の島が点在し、なるほど素晴らしい景観である。「松島や、ああ松島や、松島や」は芭蕉がよんだとはるかな昔に聞いたことがあったが後になってそれは違っていると聞いていた。狂歌師の田原坊が「松嶋やさてまつしまや松嶋や」と詠い、その「さて」が「ああ」に変化し、今に伝えられているらしい。
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しかし、それ自体に別の解釈もあるとかで、話がややこしくなってくる。ほんとに調べるつもりであればその気になって勉強するべきであろう、ということか。ところで、ここでも船の周りをウミネコが飛び交っていたが、いまはエサを与えてはいけないとの案内が出されており、かもめたちは静かに飛び回っていた。  
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船が進むほどに船内アナウンスで島々について逸話や島のかたちから名前が付いているなどの説明があった。メンバー各位はしっかり聞いている様子であったが説明がむつかしくてわかりにくい人もあったらしい。こんもりしたかたちの島は鐘のようであるので「鐘島」だとか、兜のかたちをしているので「かぶと島」や「よろい島」もあった。一行は船内の比較的前方の席に陣取っておられ、説明を聞きながら、写真を撮ったり、しばらくすると舟を漕ぐ人もあった。無理もない、今朝はかなり早く起床して武蔵引田駅で乗車、五日市線、青梅線と乗り継いで東京へ、さらに新幹線から仙石線と忙しい鉄道の旅を経て、今、この船の上。心地良い揺れと快適な船内は睡魔を呼ぶにはまさに絶好のお膳立てであったに違いない。いくつかの島の間を通り過ぎたが先の震災で大きく崩れたような地形は幸い見られなかったような気がする。津波で覆われた島影はあったと思われるが無人島が多いのでその面では被害は少なかったのであろうか。今になって震災の被害についてホームページなどを繰ってみると、津波に襲われた島に生えている松の木などが塩害で傷んでいるというところはあるらしい。しかし、それも5年過ぎた今では徐々に回復したり、あるいは伐採されるなどで処理されたのであろうか。
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そんなことを考えながらいくつもの島影を回って4時前に船着場に戻った。船を降りてホテルに戻ることになったが、写真を撮って帰りたいとか、少し散歩したい、土産物店をのぞいて見たいなどの声もあった。そこでスタッフ各位と相談してグループごとにぶらぶらしながら帰館していただくことになった。帰り道は来た時と同じ道であり、迷うことは無いとしてもバスやタクシー、自家用車などクルマがかなり多いのでくれぐれもご注意いただきたいこと、ホテルのフロントに預けてある荷物を間違いなく受け取ってそれぞれのお部屋へ入っていただきたい、
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とお願いし、一足先にホテルへ直行した。今夜の宿は、松島センチュリーホテル、松島湾岸一帯には大小さまざまなホテルや旅館などの宿泊施設があるが、このホテルは大型でかなり上位にランクされていた。フロントで各部屋の割り振りを再確認し、今夕の夕食、明日の出発などについて打ち合わせをしてメンバーの帰館を待っていた。震災では、このホテルではほとんど被害は出なかったらしく、被災された人たちの一時的な避難の場所として協力されたと聞いた。 20分くらい待ったであろうか、メンバーはグループごとに戻られ、全員が荷物を受け取ってぞれぞれの部屋に向かっていただいた。スタッフを交えて女性8人は4人ずつ二部屋、男性は5人で一部屋、いずれも風光明媚な湾に面した部屋が確保されており、きっと景色をお楽しみいただけるに違いあるまいとその点では安心していた。頃合いを見計らって、各部屋に電話してみた。部屋の様子、荷物、皆さんの体調などを伺ってみたがどなたも問題はなく、夕食まで2時間近く一休み、そして、入浴などと過ごしていただいた。 (以下、次号とさせていただきます) (資料、上から順に。ことわりのないもの以外はいずれも旅行時の撮影) 観光船を待つ人の列。 仁王丸(観光船組合の資料借用) 松島や・・・・・ ウミネコ餌付け禁止(観光案内所に置いてあった新聞記事) 観光船のコース(観光船組合の資料借用) いろいろなかたちの島がある。 海岸沿いのホテル群、左側の屋根は五大堂。 (2017/06/27) 小 野  鎭