2017.11.08
小野 鎭
一期一会 地球旅 183 リンデンハウス 平和を願って広島へ(12) 宮島(6)
一期一会 地球旅 183
リンデンハウス 平和を願って広島へ(12) 宮島(6)
海鮮御膳の夕食を楽しんだあと、メンバーと随行スタッフはこの旅行で印象深かったことをそれぞれに語ってくださった。とりわけ、ピースワンコ・ジャパンでの犬の保護に関することは予想以上に興味があったらしい。ペットして可愛がりながらも無責任に犬を放置する人がいたり、野犬などが殺処分されているという話には驚きを禁じ得なかったのであろう。無事に保護されて新しい飼い主にもらわれていくとか、救助犬として活躍している犬などの紹介にホッとした様子が窺われた。そして、最大の関心事は平和記念式典に参加したこと、そのあと、資料館に展示されていた被爆した人たちが残した数多くの遺品であるとか、目を覆いたくなるようなたくさんの写真であった。メンバーが受けた衝撃はたいへん大きなものであり、平和への祈りと核兵器廃絶ということについてむつかしい話ではあってもメンバーなりに受け止められたことが強く感じられた。原爆投下がもたらした悲惨な数多くの展示物を見たあと、米国のバラク・オバマ大統領の折り鶴と写真を通して、核兵器を無くすことへの願いについてぜひそうであってほしいという気持ちを感じた人も多かった。そんな楽しいひとときを終えて、20時半ごろ宴は終わった。最後にお願いしたのは、台風が接近しており、明日の朝はその影響が出るかもしれないということ。予定変更や緊急の事態に対応しなければならないかもしれないのでそれに備えて今夜は早く休んでほしいということであった。 2日前、東京出発頃から沖縄・奄美地方を気象庁いうところの「のろのろ台風」は、きわめてゆっくり北上していた。徐々にスピードを速めながら北東方向に進んでいた台風5号の動きへの心配が本物になりつつあった。九州南方海上から四国方面へ進むであろうことをテレビで報じていた。その夜はさすがに熟睡にもならず、テレビで台風の動きを幾度も見直した。そして次第に悪い予想は本物になりつつあることを意識せざるを得なかった。瀬戸内海方面への襲来は無いにしても少なからず暴風雨の影響は出てきているらしく、せめてもの願いはフェリーが朝のうちだけでも動いて欲しいと願うのみであった。5時過ぎにロビーへ行き、前夜から様々な場合に備えて相談してきたフロントのスタッフに今朝のフェリーの動きについて恐々尋ねてみた。朝一番は5:45発である。