2022.07.05 小野 鎭
一期一会 地球旅 224 パールロードから南イタリアを巡る旅(10)

一期一会 地球旅 【224】 パールロードから南イタリアを巡る旅(10)

 
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 ナポリの2日目、午前中の市内観光はイタリア人の若い女性が達者な日本語で案内してくれた。昨夜通った恐怖のドライブウェイらしきところも抜けて市街地をさらに上がっていき、見晴らしの良い公園緑地へ行った。かなりの高台でナポリ湾が一望でき、ヴェスビアス山は勿論、ソレント半島からカプリ島やイスキアなどの島影も遠望できた。
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その後、再び市街地へ下りていく車中で、イタリア料理が話題になり、ピッツア・マルガリータの由来なども現地のガイドから聞くともっともらしく聞こえ、興味深かった。ガイドの案内の中でさらに興味深かったことは、トマトケチャップはイタリアではあまり使われることはなく、基本的にはトマトソースだという。ケチャップはアメリカ料理(?)につかわれるものであって、パスタやピッツアにつかわれるのは何といってもトマトソース(ポモドーロ)。ケチャップについては生粋のナポリタンであるこの日のガイドは絶対に考えられない!と言ってアメリカのケチャップを笑っていた。食べることについては、話題に事欠かないイタリアである。
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高台の展望地からサンタルチア海岸一帯を通ってスパッカナポリ(下町の中心街)、ウンベルト1世のガレッリアなどを見て王宮前のプレビシート広場で解散した。ホテルまでは、徒歩10分程度であり、サンタルチア海岸通りをまっすぐ歩いて行けば、ホテルの玄関前に達することを入念に説明した。フリータイムになって一番心配することは、メンバーがスリに襲われたり、交通事故に遭うことなどである。ここまで無事故で来ており、残り2日間事故やトラブルなく過ごさなければならない。午後は、国立考古学博物館に行きたい人もあれば、ホテルに帰って休みたい人もあった。残りの多くは、折角の機会なので、古都ポンペイ見物に行きたいということであった。そこで、大型タクシーを手配してもらい、自分が案内することにした。昼食は各自食べて、午後1時半出発ということにした。ナポリ中心部からポンペイ迄は、鉄道で行く方法もあるが、数名あるとすれば車を借り切っていく方が効率的であろうというのが以前からの経験の結果であった。ポンペイは個人的には幾度も訪れているが、前回最後に訪れたのは、2006年12月、専門学校の研修でローマを訪れ、最終日の自由行動の一日を利用した時のことであった。 ナポリからポンペイまでは、クルマで40分程度、他にもエル・コラーノとかトーレ・グレコといった古代遺跡のある観光地もあるが、ここは何といってもポンペイが代表的なところであろう。今回はホテルのフロントに依頼して大型タクシーを手配してもらった。タクシーステーションに停まっているタクシーが手っ取り早いが昨夜のように狂ったような運転をするドライバーは願い下げであり、途中の景色であるとか細かい打合せをすることも必要であるので多少は英語をしゃべるドライバーの方が良い。
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私のイタリア語ではイザというときには役立たないことは間違いない。ポンペイはガイドブック等でも紹介されている通り、起源は古代ギリシャの植民市として開かれて次第に発達し古代ローマ時代、いまから2000年以上前に栄え、当時の人口は15,000人くらい住んでおり、南イタリアの中心的な都市であったが、紀元79年、ヴェスビアス火山の噴火によって火山灰の下に埋もれてしまった。18世紀になって発掘が始まり、次第に巨大な都市遺跡少しずつ姿を現し、観光スポットとして世界中からの観光客が訪れる一方、今も引き続き発掘が進められ、古代遺跡については古代ローマ時代の研究が進められている。 ポンペイ見物の多くは、ナポリなど南イタリアの景勝地やローマからの日帰りツアーが多いが実際にこの古代遺跡を見学するためには炎天下を3~4時間歩き回ることが多い。グループの場合、予めガイドを手配しておいて専門的に説明してもらうことが望ましい。しかしながら、今回は当日の準備であったし、ガイドを手配する余裕はなかった。遺跡はいつ行っても発掘や修復が繰り返されていることが多く、訪れる度に見学できる場所が限られていたり、新たに発見された遺跡が紹介されていることもあった。
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ところが、2006年訪れた時も2012年の今回訪れた時も遺跡の多くがさらに傷んでいるとか、多くのところに柵が設けられていて、見学できないところがあり、加えて遺跡そのものが封鎖されているところも多かった。高い入場料を課している割には見学できないところが多いことに腹立たしさを覚えることもあった。理由は、多分、イタリア政府の文化財保護担当部局の予算不足があり、ポンペイの管理運営部局からも不評が高まっていたらしい。結果的には、入場客は不満を覚えた人も多かったと思われる。この時案内したメンバーも正直なところ物足りなさや不満を覚えた人もあったと思う。今となっては、個人的には申し訳なかったと感じている。そのポンペイについて、書き加えたいことがあるがそれは次号とさせていただきたい。 (以下、次号) 写真&資料 (上から順に、ことわりのないものは筆者撮影 ナポリ湾の朝 (2012/9/16市内観光、ここでもみんな元気!(2012/9/16ホテルへの帰り道を地図で入念にチェック!(2012/9/16ポンペイの中心部(2006/12/09ポンペイ見物のメンバー(2012/9/16