2022.07.20 小野 鎭
一期一会 地球旅 226 パールロードから南イタリアを巡る旅(12)

一期一会 地球旅 【226】 パールロードから南イタリアを巡る旅(12)

 
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ナポリ滞在3日目、いよいよこの旅行の現地滞在は最終日である。存分に楽しみたい。この日もフリータタイムであったが全員でカプリ島に行こうということになった。ナポリ湾周辺には、アマルフィ、ソレントなど歴史的にも由緒があり、一方では、景勝地、あるいはナポリ民謡でも歌われている有名なところもある。どこもかしこも行ってみたいところばかりであるが時間的にはそれは無理というもの。ここは一般的に一番名前が通っており、有名なカプリ島へいってみようということになった。景色がいいだけでなく、ナポリからは比較的容易に日帰りできる恰好の地であった。一つだけ条件がある。ここ一帯が好天であり、波が静かであることである。 私自身、かねてより一度は行ってみたいと思うものの添乗業務であるので事情が容易には許されず、これまでにナポリは幾度も訪れているが未だに機会に恵まれておらず、今回はまさに千載一遇ともいうべきチャンスであった。
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ホテルのフロントで種々情報を得る一方ナポリ港にいくつかある埠頭の内、べヴェレッロ埠頭にある船会社に行き、船賃のほか、船の発着時間が正確であり、安全な航海を重ねていることなどできるだけ詳しく尋ねた。明日は、天気も良さそうだし、海は荒れず、「青の洞窟」へも多分、間違いなく入れるだろうと船会社の責任以外のことなども聞いてみた。天候は自然現象であり、船会社の責任ではないことは十分承知しているがあすの天気や波の高さは過去の経験などからわかるはず、いうのが私の考え。天気が良くても、折角行きながら波が高くて青の洞窟に入れないというのでは興味半減である。
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そして当日、朝から、秋の日差しがナポリ湾に眩しく照り映え、波は穏やか、大型水中翼船の快い揺れに団員の心も弾み、午前9時過ぎにはカプリ島のマリナ・グランデ波止場に到着。目の前に絶景を見上げながらGrotta Azzura (青の洞窟)への乗船券を買うための列に並んだ。多くのツアー客があり、たくさんのツアーの種類が売られているので間違って買うと大変、洞窟へのボートに確実に、できるだけ早く乗ることが肝心。それも、午後のツアーではなく、午前中の方が洞窟内の光線の具合が良いと説明に書いてあり、ここは午前中のツアーを何としてでも準備しなければ! とにかくよく、説明を聞かないと、船ではなく、バスで島の上部に上がり、乗り換えて終点から階段を下りて洞窟の入り口に達するというツアーもある。こちらの方が景色がよく、島の風景を楽しむことが出来るが、乗り換えがあり、おまけに階段を歩くこと、何といっても時間がかかるというハンデもある。70歳を超えている自分たちには、ちょっと不向きだろうと遠慮する。
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こうしてやっとスムーズに午前中に船で往復できるコースを選ぶことが出来た。ガイド付きのツアーであればこんな苦労はせずに済むがここはすべて自分たちで組み立てる醍醐味(少々負け惜しみか?)である。カプリ島での波も穏やかで空は見事に晴れ渡り、ボートから見上げる絶景も十分に楽しむことが出来ると自信を持つことが出来た。こうして、やっと青の洞窟へのツアーの準備ができたので、ボートの出発まで30分のフリータイムを伝えた。トイレ、土産物の購入、ティータイム、写真撮影、休憩などこの時間をうまく使ってほしい。世界中からの観光客がいちどきにわっと散らばっているので中にはインチキツアーを売るとか、まがい物の土産、スリや置き引きなど観光地にありがちなトラブルが生ずることもあるのでここは十分に注意してほしいと一言添えることも忘れなかった。メンバーの中には、体調により、頻繁にトイレに行く必要のある人もあり、早く気遣うことも大切であった。(以下、次号) 写真&資料 (上から順に、ことわりのないものは筆者撮影 ナポリ湾とカプリ島(地図 World Atlasより) ナポリから見るカプリ島、左側はソレント半島(2012916日撮影) マリナ・グランデ港(2012918日撮影) いざ、青の洞窟へ(同上)