2015.02.25
小野 鎭
小野先生の一期一会地球旅㊹「海外看護事情視察団に添乗して その3」
一期一会 地球旅 44
海外看護事情視察団に添乗して (その3) 回を重ねて
Nurse Tour は、その後も継続して派遣され、米国各地やカナダも訪問され、各団はその都度多くのことを学ばれたと思う。共通していえることは、年ごとに3つか4つの大項目を設定され、これを縦軸に、そしてそれぞれのテーマに沿って各地の著名な大学の看護学部、医療施設や長期滞在施設そして看護関係団体などを横軸として訪ねられたことである。 その中心にあったのがイリノイ州立大学シカゴ校看護学部(UIC School of Nursing)であった。1989年に派遣が始まり2002年まで、途中95年は阪神淡路大震災、01年はニューヨークの同時多発テロのため2度を除いて12回担当させていただいた。 視察テーマは時代背景や我が国の医療と看護に於いて求められた様々な課題でより緊要とされたものが掲げられたのであろうと思う。 流れとしては、看護サービスにおける革新的な方法、能力評価、品質管理、法令順守(コンプライアンス)、危機管理(リスクマネジメント)などが挙げられていた。毎回の団は年ごとに特徴があり、忘れられない思い出、様々な人々との出会いがあった。今回は、平成11年度(99年)視察団の添乗について書き、次回は毎回お世話になったUICの先生方との思い出などを書いてみたい。 1999年はNurse Tourが派遣され始めて10回目(途中95年は中止されたと思う)という節目の年でもあった。全社連では、看護課長の由井様が担当され、団長も務められた。この団は、臨床と教育の場から保健婦、助産婦、看護婦(いずれも当時の呼称)の8名様で構成されていた。テーマは、①マネージドケアにおけるクリティカルパスの位置づけ、②ヘルスプロモーション、③看護職の養成にかかる専門学校と大学教育レベルでの役割、④看護管理として院内教育と人事考課が掲げられ、全米各地で5施設を選択してテーマに沿って集中的に学ばれた。この団の報告書を開いてみると興味深い記述がたくさんあり、主なところを挙げさせていただこう。(2015/2/22)
小野 鎭