2015.03.03
小野 鎭
小野先生の一期一会地球旅㊺「海外看護事情視察団に添乗して その4」
一期一会 地球旅 45
海外看護事情視察団に添乗して (その4) 忘れえぬ人々
平成11年度(1999年)のNurse Tourは、10月末から11月上旬にかけて15日間、シアトル、ナッシュビル、ボストン、シカゴの各地で集中的に視察され、中身の濃い報告書を残しておられる。1989年に始まった海外看護事情視事業は、10回目(95年は阪神淡路大震災のため、中止されたと思う)という節目の年でもあり、毎回添乗してきた思い出などを綴って欲しいという嬉しいお申し出をいただいた。そこで、巻末に忘れ得ぬ人々として視察訪問を受け入れていただくにあたり、格別お世話になった方や思い出深い人々のことを書かせていただいた。それを引用しながら加筆して書かせていただく。 ヴァージニア・M・オールソン博士(Virginia M Ohlson, MS,Ph.D) これまで幾度も書いてきたが、海外看護事情視察団(Nurse Tour)が初めて派遣された1989年、その時の主たる視察希望項目は、医療制度や医療政策の変化に伴う看護の同行、看護管理面での新しい動き、看護教育、看護業務の実態、看護婦協会の活動などを掲げられ、このようなテーマを少しでも多く取り入れた視察訪問を行えるようにするためにはこの視察事業の目的と視察希望項目について理解していただき、協力してくださるコーディネーターを求めていた。そして、折よくオールソン先生の存在を知り、全社連の当時の看護課長Y氏と折しも来日中の先生にお会いして趣旨を説明し、協力をお願いしたところ快諾してくださった。すでにUICの看護学部長は引退しておられたが、当時も名誉学部長として研究室をお持ちであった。初めてUICの看護学部を訪問した時は、オールソン先生は勿論当時の学部長始め特別講義をしてくださる教授などが温かく迎えてくださり、何の不安もなくプログラムが始まっていった。それから、毎年UICの協力を仰ぐことになり、結果的にはこの1999年以降も2002年まで延べ12回のNurse Tourでは毎回訪問して特別講義をしていただいた。ここに至る最大の功労者として、そして個人的にも博士のことは、今も一番心に強く残っている。Joyce Clifford, Who Pushed for ‘Primary Nursing’ Approach, Dies at 76
Joyce C. Clifford, a nurse who advocated a partnership of equals between doctors and nurses in the treatment of patients, and whose ideas were adopted in some of the nation’s best hospitals because they reduced medical errors and improved survival rates, died on Oct. 21 in Boston. She was 76.
(New York Times Oct.31, 2011)
他にもたくさんの方にお会いしてお世話になってきたが、とりわけヴァージニア・M・オールソン博士、ジョイス・C・クリフォード博士といった看護の世界で大きな足跡を残された先生方に感謝すると共に、幾度もお会いできたことを光栄に思っている。(2015/2/28)
小 野 鎭