2022.09.05 小野 鎭
一期一会 地球旅 230 英国の伝統・文化と田園を巡る旅②

一期一会・地球旅(230) 英国の伝統・文化と田園を巡る旅 ②

 
    これまでの旅行はほとんど成田発着であったが、今回は羽田であり、利用航空会社はANA。福岡と大阪からも乗り継ぎのメンバーが過半数であるので羽田集合は好評。今回は自分を含めて10名。全員にとって好都合であった。最初の目的地は、英国のエディンバラであり、羽田からの直行便はないので先ず、ドイツのフランクフルトへ飛び、そこで乗り換えることになっている。往時、フランクフルトは航空便といわず、鉄道やバスツアーを含めて度々訪れた。1970~90年代、当時の西ドイツの交通の要衝であり、見本市や視察・研修などでもこの町を含めて周辺の各地も良く回った。ここフランフルト空港は、今でもそうであると思うがドイツのみならず欧州の航空路の要衝であり、世界的にも有数の大空港である。羽田から12時間余り飛んで、空港ターミナルの待合室で初めて背伸びをして落ち着くことが出来た。 ここまでは日本の航空会社であったのでいつもより疲労度は少ないと思うがやはりやれやれと感じることには違いない。加えて、ここで乗り換えてさらに飛ばねばならない。次の便の出発まで乗り換え時間は、6時間。搭乗便の出発の1時間前までに集合しなければならないで実質的に4時間余の待ち合わせであるが、その間、空港待合室で待機するのはあまり得策ではあるまい。そこで提案して、空港から鉄道(DB=ドイツ鉄道)でこの町の中央駅まで行ってみることを提案した。今回の旅行は英国のみであるので使用通貨は英ポンドのみであるが、これまでの旅行で使い残しのユーロを持っている人もあり、少々あれば用を足すことが出来る。空港ターミナルビルの地下にはDBの空港駅があり、FRA=Hbf(フランクフルト中央駅)まで20分足らずらしい。鉄道案内図を見て自販機で乗車券を買った。片道5~6ユーロであったような気がする。空港駅を出ると間もなく地上に出るが雨が降っていた。窓の外の見晴らしはあまり良くないが外国での鉄道の旅は短距離であっても楽しい。 今回の顔ぶれは前回とほとんど変わっておらず、お互いに元気で出かけることを喜び合い、今回も楽しい旅行でありたいし、そう願っていることを語る人もあった。
そして、前回のクロアチア~南イタリアの思い出を語るなど共通の話題で微笑が出て来るし、健康談義も弾んだ。間もなく、到着した。フランクフルト中央駅はとにかくでかい。今はベルリンらしいが、かつてはDBの本社機能がフランクフルトにあったとも言われており、以前に聞いた話では、24番線のホームまであるという。最近は、日本の新宿駅や東京駅でも乗り場(ホーム)はかなりの数あるが、造りが複雑であり、一か所には並んでおらず、地上や地下ホーム、あるいは少し離れた場所にプラットホームがあるところなどわかりにくい駅構造となっているところもある。それらと比べるとフランクフルト中央駅(Hbf)は他の多くのヨーロッパの大都市の終着駅と同様、ホームがずらっと並んでおり、全ての列車が入線してはそのまま逆に折返して出発していく。
中には、ケルンのように島型の駅で列車はホームを通り抜けていくところもあるが多くの終着駅はここフランクフルトと同じような形になっている。巨大なアーチ型の屋根で覆われており、駅構内には、鉄道関係の施設は勿論、他にレストラン、カフェ、キオスク、銀行や両替所、中にはホテルまで備わっているところもある。ホームには、改札口がないので列車を下りるとそのまま出ていくことが出来るし、地下に降りていくとU-Bahn(地下鉄や郊外電車)の駅に続いている。現業の頃、町の中心部に泊ったとき、時間さえあれば駅のなかをいろいろ見学したり、写真を撮ったりしていると2~3時間はすぐに使ってしまう。そんな楽しさがあった。駅にはその国の人は勿論、外国の旅行者も多いし、いろんな国の言葉が飛び交っていたし、はるか遠くの国から来ている車両の行く先表示もあった。どの駅でも同じような風景が見られたのでそんな意味からはユニバーサル化が進んでいたと言えるかもしれない。但し、パリやロンドンなどは、行き先方面別にターミナル駅がわかれているのでその点での不便さはあるかもしれない、
フランクフルト中央駅の巨大な空間の中に立っていると日本のターミナル駅のような狭苦しさや息苦しさはあまり感じない。前述したようにヨーロッパの駅では改札口がないことが多い(ロンドンやパリのユーロスターは入出管理や通関のため改札口がある)ので、列車を下りてそのままホームを通って外に出ることが出来る。今回も駅構内を出て外に出てみた。ここ中央駅でも御多分に洩れず、改造工事中、ただし、騒音や塵埃除けのため、大きな覆いで覆われており、見苦しさはなかった。
駅舎正面には本来の建物を描いた大きな幕が張ってあり、美的センスもなかなかのものであった。現地時間は午前8時頃であったが、駅前広場に立ってみると雨はほとんど止んでおり、駅前ロータリーの朝の風景を見ることが出来た。人口70万の都市の表玄関であるが日本のターミナル駅のような慌ただしさはなく、人の数もそれほど多くなかった。時間にすると10分くらいの駅前見学であったが、全員揃って、大きく背伸びすることが出来、長い飛行機の旅の疲れが少しとれたような気がする。その後、空港へ戻り、エディンバラへ向かった。
欧州大陸と英国の間には1時間の時差があるのでフランクフルト発は12時10分、エディンバラ着は13時5分であるが実際の飛行時間は約2時間であった。エディンバラの空港はフランクフルトに比べると可愛らしく、入国審査を終えて荷物を受け取り、到着ロビーへ出た。構内には「Reserved Area for Passengers need Assistance」という案内があり、とても分かりやすいピクトグラムが大きく表示されていた。空港からエディンバラの中心街までは、バスで30分足らずであった。依然としてここでも雨が降っていたが、出迎えの日本人職員がホテルまで、車窓に見える風景とこの町の特徴、スコットランドとイングランドの違いについて、いくつか説明してくれた。この町に着いていつも感じるのは、どの建物も黒っぽく、地形は起伏に富んでおり、坂道が多いことであった。ホテルに着き、荷物を降ろしてチェックイン、こうして羽田を経って22時間余り、それぞれ部屋に入ってホッとしていることだろう。福岡や大阪から乗り継いできたメンバーも多く、それぞれ通算すると、30時間余りかかっていることになり、疲労度合いもかなりのものであろう。先ずは、夕食までの数時間をゆっくり休んでほしい。(以下次号) 写真&資料(上から順に、ことわりのないものは筆者撮影) フランクフルト空港 Do a Trip! DE Wikipediaより フランクフルト中央駅構内 DE Wikipedia より フランクフルト中央駅を背にして (2013年10月5日 筆者撮影) 中央駅は改装工事中、駅正面には大きな幕がかかっていた(同上) 中央駅前から市内を見る(同上) エディンバラ空港ターミナルビル内、「お手伝いの必要な人へ」ピクトグラム(同上)