2022.11.21
小野 鎭
一期一会 地球旅 237 英国の伝統・文化と田園を巡る旅⑨
一期一会・地球旅(237)
英国の伝統・文化と田園を巡る旅 ⑨
(Lake District : 湖水地方)
英国の伝統・文化と田園を巡る旅 ⑨
(Lake District : 湖水地方)
北西部イングランドの山間部にはたくさんの湖沼があり、かつて氷河期に氷河の作用によりたくさんの湖沼が出来たそうである。急峻な谷と細長い湖などが相まって美しい景観が出来ている。こうした雄大な風景に合わせて、1,000年以上の時間をかけて人間が農業や牧畜を行ってきており、北ヨーロッパの高地農牧システムの代表例ともなっている。石造りの壁で農地が囲まれたり、羊たちが草を食んでいたり、美しい自然景観が調和して独特な田園風景を生み出している。 景観と調和する家屋や別荘群、庭園、公園などは地形の美しさをさらに美しさを高めるように、意識的に作られてきた。こうした景観が18世紀の英国で流行した概念であるピクチャレスク(Picturesque=絵画的風景:小野訳)や後期ロマン主義の芸術運動の中で高く評価され。多くの絵画や詩歌、文学作品などに取り上げられ、それがさらに湖水地方の評価を高めることになった。詩人のワーズワースはグラスミアゆかりのところが多く、ベアトリクス・ポッターが湖水地方の自然や動物をモチーフに描いた「ピーターラビットのおはなし」は世界中で愛される作品となっている。
午前中の「ローマ帝国の境界線」見学を加えたこともあって、この日は、湖水地方の美しい風景をもっとゆっくり味わいたいという欲張りな計画には少々無理があった。北部イングランドの夕暮れは早く、加えて雨模様とあって慌ただしいLake District Tourであったことは団員各位にも申し訳ないと後悔している。そんなひと時であったが、土産物店でピーターラビットのメッセージカードやカレンダーなどを買うことが出来たのは忙しい中で救いであった。
写真&資料(上から順に)
ウィンダメア湖とアンブルサイド : Visit Cumbria
ベアトリクス・ポッター・ギャラリー前の農場 (2013年10月6日筆者撮影
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ピーターラビットのお話 : Visit Cumbria
ベアトリクス・ポッター・ギャラリー (2013年10月6日筆者撮影)
ピーターラビット展 : 世田谷美術館