2023.02.06 小野 鎭
一期一会 地球旅 247 英国の伝統・文化と田園を巡る旅⑲
 
一期一会・地球旅 247 
英国の伝統・文化と田園を巡る旅 ⑲ 
ロンドン その4 市内観光(2) 
ウェストミンスター寺院を出て、同名の宮殿(国会議事堂)からビッグベン(時計塔)をながめながらパーライメント・スクエア(国会議事堂広場)をまわった。広場から国会議事堂を見やるように歴代の首相やアメリカのリンカーン大統領などの銅像が立っている。観光客にとっては、第二次大戦から戦後にかけて首相を務めたウィンストン・チャーチルが筆頭であろうか。もっとも、自分たちは昨日、ロンドンに来る前にブレナム宮殿を訪れており、そこでチャーチルが生まれたと聞いているので一層印象深いのかもしれない。昔、このあたりを回るとき、この銅像について、葉巻を探しているチャーチルとガイドが紹介すると、車内から笑い声が上がったものである。この日のガイドはチャーチルのことまでは紹介しなかったが、時間が足りなかったのか、それとも、第2次大戦からすでに70年近くが過ぎており、日本の旅行者はチャーチルと聞いてもあまりウケなくなってきているのかもしれない。今回、改めてこの場所のことを調べてみると、いまではインドのガンジーや南アフリカのネルソン・マンデラも加えられて12人の銅像が立っているとか。 
 
この後、近くのパブ&レストランで昼食をとり、ニュースコットランド・ヤードの前を通った。言うところのロンドン警視庁である。最近では、ロンドンでも大規模なテロ事件が起きており、警視庁の役割もさらに重くなっていることであろう。スコットランド・ヤードといえば、小説や映画ではシャーロック・ホームズやエルキュウロ・ポアロなどもよく登場する。ホームズが住んでいたのは、ベーカーストリート221b番地(Baker Street 221b)、都心から少し北の方のリージェント・パークに近いところであり、医師であったワトソン博士も独身時代は同居していたとか。一方、このベーカー通りから少し行くとハーレー・ストリート(Harley Street)という通りがあり、ここにはGP(一般医=家庭医と言っていいかもしれない)やSpecialist(専門医)たちが事務所を構えているところとして有名である。
医療関係者のグループをロンドンにお連れしたときは、市内見学に含めてこの通りなども回ったものである。さらに、シャーロック・ホームズというパブ&レストランがあったことも思い出す。レスター・スクエアから少し下ったトラファルガー広場近くの通りにあり、ロンドンっ子だけでなく、多くの旅行者でも賑わっていたと思う。ここも夕食後、よくお客様をお連れした。パブの二階へ上がると壁にはホームズのあの帽子やコートが掛けてあり、机の上には、ペンやパイプなども置かれていたのではないだろうか。久しぶりにロンドンの思い出を書くと次々にいろんなことを懐かしく思い出してついついこの旅行記も枚数が増えてしまう。 
 
もう一つ、トラファルガー広場の真ん中には塔が立っており、塔の足元には4頭のライオンが座っている。ガイドに言わせると日本橋の三越百貨店の入り口にすわっているライオンはこれがモデルだとか。今回Wikipediaで調べてみるとそれは事実であるとわかった。ところで、塔の上に立っているのは、ネルソン提督。トラファルガー沖の海戦で勝利を収め、フランスの英国本土上陸を阻んだとして、英国人の信望を集めているのであろう。今回の旅行のスタート地点であるエディンバラのカールトン・ヒルには、ネルソン記念塔はあったがネルソンの像やライオンは見なかった。 
 
トラファルガー広場では、昔は子供たちや旅行者が塔の足元のライオンの背中に登って遊んだり、写真を撮ったりしていたので自然にピカピカに磨かれていたと思う。しかし、今は文化財の保護・保全と転落等の危険を防止するために、ライオンに乗ることは禁止されている。広場にはたくさんのハトがおり、ライオンの背中もハトの落とし物で汚れており、定期的に清掃されている。ハトには、エサをやらないように、と言われる所以ではないだろうか。(以下、次号) 
 
(写真と資料、上から順に) 
国会議事堂広場のウィンストン・チャーチル : 2013年10月12日筆者撮影 
ニュースコットランド・ヤード(ロンドン警視庁)のサイン:Wikipediaより 
ベーカーストリート221B、シャーロック・ホームズ探偵事務所の看板 :Wikipedia 
ハーレー・ストリートの道路標識 : Wikipediaより 
トラファルガー広場のネルソン提督の塔、足元にライオン像: 
2013年10月12日 筆者撮影 
トラファルガー広場のライオンの清掃 : My London資料より