2023.03.06
小野 鎭
一期一会 地球旅 251 英国の伝統・文化と田園を巡る旅㉓
一期一会・地球旅 251
英国の伝統・文化と田園を巡る旅 ㉓
ロンドン その8 市内観光(6)
ラッセルホテルは、古いレンガ造りの古色蒼然とした造りの建物であった。ホテルのロビーでグループごとに集まりチェックインの間待機してもらった。忘れもしないのは、この時のフロントの女性スタッフのミニスカートスタイル。1960年代の半ば、ミニスカートが英国で流行り初めていたといわれている。私たちのグループがロンドンを訪れたこの時よりも約1っカ月早く1967年10月18日に英国から来日したミニスカートが良く似合うモデルは「小枝のように華奢な」という意味合いのその名もツイッギー(Twiggy)であった。日本で大人気となってミニスカートブームをもたらし、70年代にかけて日本のファッション業界に大きな影響を与えたといわれていた。自分はこの頃26歳、初めてのヨーロッパであった。ホテルのフロントで対応してくれたミニスカートの女性スタッフに眠気も吹っ飛び、お客様の部屋割り表とにらめっこしながら、お客様のスーツケースの名札に部屋番号を書くのに四苦八苦したことを思い出す。ツイッギーが来日し、ミニスカート旋風を起こしたのは1960年代後半のことであった。このことは、一過性の「ブーム」のように語られがちであるが、ツイッギー(本名レスリー・ホーンビー 現Dame Lesley Lawson DBE)はその後、50年にわたってファッション業界に多大な影響をもたらし、舞台芸術面でも大活躍してきた。長年の功績が評価されて2019年に大英勲章(Damehood of the British Empire)を叙勲されているという。(Daily Mail Onlineより)
あれから56年が過ぎた。今回、もう一度ラッセルホテルのことを調べてみた。このホテルは、1898年に建築家チャールズ・フィッツロイ・ドールによって建てられて、1900年に開館した。第二次大戦当時ロンドン市内にある多くのホテルは軍に接収されたが、ラッセルホテルは接収されなかった数少ない例であったとか。幸い、戦争を無傷で生き延びたが、屋根の上に立っていた壮大なドームは1941年の空襲で損傷を受け、そのまま、改造されずに時が過ぎていたとのこと。自分たちが1967年に泊ったとき、ずいぶんクラッシックな造りであったことを覚えているが19世紀末の建設であったとすれば無理もなかったのであろう。その後、2018年までラッセルホテルとして知られていたが、その後、ホテルは経営が変わり、内部・外観とも見事に改装されて今は、デラックスクラスのキンプトン・フィッツロイ・ロンドン・ホテルとして生まれ変わっていると案内があった。ここでも、100年以上前に造られた建物が見事に蘇っていることに、古いものを上手に使っている英国人の考え方に改めて敬意を表したい。ところで日本より、物価の高いこの国では宿泊料金もかなりの金額であろう。
博物館は、歴史や文化・芸術のことなど、たくさんのことを教えてくれるし、学ばせてくれる。今号も深みはないが、自分自身にとっても大英博物館についてはいろいろな思い出があった。(以下、次号)
(資料と写真、上から順に)
ラッセルスクエア : Wikipediaより
大英勲章を受勲したツイッギー(Dame Lesley Lawson):Daily Mail Online資料
キンプトン・フィッツロイ・ロンドン・ホテル: Daily Mail Online資料より