2023.03.27
小野 鎭
一期一会 地球旅 254 英国の伝統・文化と田園を巡る旅㉖
一期一会・地球旅 254
英国の伝統・文化と田園を巡る旅 ㉖
ロンドン その11 市内観光(9)
コモンウェルスについて、慶應義塾大学の名誉教授宇都木愛子氏の著「大英帝国2.0」に興味深いことが書かれている。「英国から独立していった国のうち、50ヵ国以上の旧植民地が今日でも英連邦(Commonwealth of Nations)を構成している。そして、そのうちカナダ、オーストラリア、ニュージーランド始め21世紀の今日でも英国のエリザベス女王を自分たちの元首としている。女王陛下は、まさに『君臨すれども統治せず』の言葉通り、直接には政治にかかわることはないが国王の座は温存するという方針をとった。植民地が次々に独立する中でイギリスのとった政策は、独立を阻止する戦いでなく、非常に平和な、日本人が好む表現を使うならば、『ご縁を大切にしましょう』といったところかもしれない。勿論、外交の複雑さ、困難さは多々あると思うが基本にあるのはこういった将来を見据えて独立していった国々との喧嘩別れを回避したわけである。これがまさに、10年、100年後の世界を見据えたバックキャスティングという叡智である。」 なお、エリザベス女王は、2022年9月に崩御され、現在の英国王はチャールズ三世となっている。
ロンドン市内では旧植民地の名前などを冠した建造物や記念碑、組織名や企業名などを見かけることがある。これらを見るつけ、この国の持つ世界観とこれに至った背景を今回も少しだけ深く知ることが出来たような気がする。(以下次号)
(写真と資料、上から順に)
資料(出典など)
ロイヤル・アルバート・ホール : Royal Albert Hall (RAH)資料より
Great Exhibition : Wikipedia & The Royal Parks資料より
1851年第1回ロンドン万博 : 国会図書館 博覧会 技術の展示場 資料より
Queen Victoria & ビクトリア(イギリスの女王): Wikipedia資料より
Commonwealth of Nations & イギリス連邦 : Wikipedia資料より
コモンウェルスについて :慶應義塾大学名誉教授宇都木愛子著「大英帝国2.0」
写真
Prince Albert : Walk London資料より
ロイヤル・アルバート・ホール : 2013年10月10日 筆者撮影
1898年のイギリス帝国(British Empire):Wikipediaより
Member States of Commonwealth : Wikipedia より