一期一会・地球旅 ２７６
カナダの大自然と遊ぼう⑳ Can-Rock⑩
もう少し、カナダの国立公園ここでは主としてバンフの利用について、興味ある規則を見てみよう。
ピクニック指定地などの日帰り利用エリアは、午前 7 時から午後 11 時まで利用可。 指定場所のみで火の使用が許可されており、金属製の暖炉とストーブ付きの調理用シェルターはパークス・カナダが設置しているのでそれを使うこと。キッチンシェルター内でのアルコールの使用やいかなる種類の喫煙、キャンプも禁止。
ドローン（無人航空機） の娯楽目的での使用は、すべての国立公園で禁止。
普通の自転車及びペダル付き電動アシスト自転車は、バンフ国立公園内の道路および一部のトレイルでのみ許可。
火気の使用は、パークス・カナダ指定の暖炉と調理用コンロを供えている場所のみ可。キャンプファイアは環境安全を十分に意識すること。火はパークス・カナダ指定の金属性防火ボックスに納めること。薪は備え付けのものを使用。他の場所からの持ち込みは、昆虫の侵入や病気を広げる恐れあり。ごみを燃やしたり、周囲の森から動物の死骸などを集めたり、燃やしたりしないように。炭火でのBBQは許可されている。
花火やその他の種類の爆発物の使用、販売、購入は不許可。
不要な食べ物やゴミについて。 食べ物やゴミは、野生動物耐用のゴミ箱に処分、または、車や食料ロッカーに保管すること。 ゴミの放置禁止。 以下、ゴミや食べ残しの食料品が動物を誘引して、問題を引き起こすことにつながる危険を強調している。中略、最後に「バンフ国立公園では、ゴミのポイ捨ては有罪となる」とある。
バンフにある野生動物耐用のごみ箱は、ビデオモニターも行われている。（筆者注）
自然物および歴史的対象物品について。
公園内の自然物はありのまま放置すること、それが法律。 岩、化石、人工物、角、枝角、野生の花、巣などの自然および文化的資源は保護されており、採取するとか持ち帰るなどのことがないように、と強調している。
ペットの世話は飼い主の責任。 犬は、野生動物にストレスを与える。 リードを外した犬は、野生動物に攻撃的な行動をさせる可能性がある。 ペットの糞尿の始末は飼い主の責任であること。
自然環境についていくつか考えてみた。公園利用上の決まり（Park Regulations）が国立公園ごとに明記されている。その中で、野生動物については次のような決まりが挙げられている。
国立公園内の野生動物に餌を与えたり、誘惑したり、動物の動きを妨害することは違法。 違反者は起訴され、強制出廷が条件となり、最高 25,000 ドルの罰金課される可能性あり。
野生動物を撮影するときは敬意を払うこと。 野生動物と一緒にセルフィーを撮らない。 動物の行動は予測不可能。 双眼鏡や望遠レンズを用いるなど、自然環境での野生動物を撮影すること。 運転時は、制限速度厳守。 道路脇に野生動物を見つけた場合は、速度を落とし、車の中に留まり、写真を撮って先へ進むこと。
以上、特に興味を覚えたことを抽出してみた。ところで、バンフの北隣にあるジャスパーは、バンフよりもさらに広く、１万878㎢、すなわち日本の岐阜県全体より少し広く、コロンビア大氷原から流れ出す氷河、温泉、湖、滝、山などが広がるカナディアン・ロッキー内における最大の国立公園である。Parks Regulationsを見ると、バンフとほぼ同じ26項目の決まりが列記されている。項目はバンフと概ね同じであるが、バンフに書いてないものとして、二つあったので紹介してみよう。
オフロード走行（ジャスパー）
車両は硬化された路面、舗装路、砂利道に駐車すること、ATV（全地形対応車）、スノーモビル、ダートバイク、その他オフロード車両使用は禁止。スクーターもここでは自動車扱い。
毒物（ジャスパー）
公園内では、野生動物の捕獲、傷つけ、殺害目的の毒物、有毒物質、ガス、麻薬、薬物の所持または使用は禁止。これには毒ネズミ捕りの使用も含まれる。ジャスパー国立公園内にある家屋などでシカネズミがハンタウィルスを保有しているため、これを捕獲殺しなければならない。詳細は公園管理局まで。
日本では、近年、国立公園内でもシカやクマなどの野生動物の繁殖に対して様々な対応が採られているが、細かい規則の制定は後追いになっているのかもしれない。
さて、野生動物の保護という観点から、バンフ国立公園内のハイウェイで見かけるAnimal Overpassについて調べてみた。次号で紹介したい。（以下、次号）
【資料と写真 上から順に】
〈資料〉
・Parks Regulations Parks Canada Banff National Park 一部 Jasper NPも引用
〈写真＆イラスト〉
・バンフで見かけたゴミ箱野生動物耐性用、ビデオモニター監視の表示有。
：2009年8月29日 筆者撮影
：2009年8月29日 筆者撮影
・マリーン湖 ： 2009年8月31日 筆者撮影
